【ストーリー】川崎洋子さん 卵巣がん 漿液性腺癌/ステージ3C 

卵巣がん 川崎さんのがんに関するストーリーです。

このストーリーの目次

  1. 【ストーリー】川崎洋子さん 卵巣がん 漿液性腺癌/ステージ3C 
  2. 第1話「身体中の関節の痛み」
  3. 第2話「血液検査報告書とレントゲン画像」
  4. 第3話「うまく動かない指の関節」
  5. 第4話「めったにない不正出血」
  6. 第5話「悪性の可能性」
  7. 第6話「卵巣がん特有の腫瘍マーカー。大腸、胃への転移の可能性」
  8. 第7話「アレルギー反応での手術中断可能性」
  9. 第8話「無事手術が終わり抗がん剤治療へ」
  10. 第9話「2度目の手術。リンパ節切除。」
  11. 第10話「元の職場への復職」
  12. 第11話「患者さんを励ます側へ」

第8話「無事手術が終わり抗がん剤治療へ」

膠原病(こうげんびょう)の治療中に卵巣がんが見つかった東京都在住の川崎洋子さん(54歳、2003年当時41歳)は、2003年5月に手術を受けた。当初は麻酔薬に対するアレルギー反応も不安視されたが、それは起こらず無事に手術を終えた。

手術が終わり夫の「大丈夫だよ。ちゃんと取れたよ」という言葉に安堵(あんど)した。
この手術では病巣となっていた卵巣、子宮、そして大網が外科的に取り除かれた。進行ステージは、ステージ3C。“漿液性腺癌(しょうえきせいせんがん)”という評価だった。

ただひとつ気になったのは消化器の癒着(ゆちゃく)が厳しくリンパ節の郭清(かくせい)ができなかったことだった。

手術から8日目の5月9日。
川崎さんとご主人は、担当医、若い医師、看護師と一緒に5人で面談した。
そして担当医からこういわれる。
「今回の手術ではリンパ節を取ることまではできませんでした。しかし転移があったのでまだ身体に小さながんがある可能性があります。これからは抗がん剤による全身化学療法を行いましょう」

やはり来たか、そう思った。
川崎さんは入院病棟からの外出許可を得て勤務先の美容室に向かった。
そして自分の頭に合うようにウィグ(かつら)をカットしてもらう。

5月16日、抗がん剤治療開始。
使用した薬は、タキソールとカルボプラチン。
この治療は2週間入院して抗がん剤治療を行った後、次の2週間を退院して回復期に充てる4週間を1クールとするものだった。
薬を入れて2日目。
さっそく手足のしびれが出始め、7日目には身体中に発疹(ほっしん)が出た。
発疹は例の薬アレルギーだ。
第2クールでは、この第一選択の薬(タキソール+カルボプラチン)が使えなくなる。

「くやしい。またアレルギーが出ちゃった。第2選択の薬で効けばいいけど…」
そんな不安がよぎる。
そして6月9日からの第2クールでは薬の組み合わせを変更する。
タキソテールとカルボプラチン

そしてここから10月の終わりまでの長期間となる抗がん剤治療が始まった。
合計7クール。実に5ヶ月半に及ぶ治療となった。

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この記事の著者

(5yearsプロフィール)

日本最大級のがん患者支援団体 NPO法人5years理事長、本サイト(ミリオンズライフ)の編集人。
2007年、最終ステージの精巣がんを発病。生存率20%といわれる中、奇跡的に一命をとりとめ社会に復帰。自身の経験から当時欲しかった仕組みをつくりたいとして、2014年に退職し、2015年よりがん経験者・家族のためのコミュニティサイト5years.orgを運営。2016年より本サイトを運営。
現在はNPO法人5years理事長としてがん患者、がん患者家族支援の活動の他、執筆、講演業、複数企業での非常勤顧問・監査役、出身である長野県茅野市の「縄文ふるさと大使」として活動中。
>>新聞、雑誌、TV等での掲載についてはパブリシティを参照ください。
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