卵巣がん 川崎さんのがんに関するストーリーです。
このストーリーの目次
- 【ストーリー】川崎洋子さん 卵巣がん 漿液性腺癌/ステージ3C
- 第1話「身体中の関節の痛み」
- 第2話「血液検査報告書とレントゲン画像」
- 第3話「うまく動かない指の関節」
- 第4話「めったにない不正出血」
- 第5話「悪性の可能性」
- 第6話「卵巣がん特有の腫瘍マーカー。大腸、胃への転移の可能性」
- 第7話「アレルギー反応での手術中断可能性」
- 第8話「無事手術が終わり抗がん剤治療へ」
- 第9話「2度目の手術。リンパ節切除。」
- 第10話「元の職場への復職」
- 第11話「患者さんを励ます側へ」
第1話「身体中の関節の痛み」
「まだ、お若いのに残念ですが…」
質問したら担当医にそう言われた。
もし手術中に持病のアレルギー症状が出た場合、どうなるのか確かめたかっただけなのに。
残念ですがという言葉が胸に刺さった。
「でも私には覚悟ができている。手術を続けられるかどうかなんて、やってみなくちゃわかんない」
決して弱気にはならなかった。
2002年8月。東京都在住の美容師・川崎洋子さん(54歳、2002年当時40歳))は身体中の関節の痛みを感じていた。
手の指関節、肩、脚のひざ、あらゆる関節の痛みだ。
これでは美容師の仕事に差しさわりがあると悩み始めていた。
やがて関節が動きにくくなり微熱も出始める。
不安になり近所の整形外科病院に行き、一通りの検査を終えると医師は言った。
「腱鞘炎(けんしょうえん)かもしれません。湿布(しっぷ)とロキソニン(解熱鎮痛剤)を出しておきます。しばらく様子を見てみましょう」
自然に治るのではないかという見立てだった。
しかし、ロキソニンを服用しても熱は上がってくる。
夜はつらくて身体中に湿布を張って寝る始末。
やがて、あまりの痛みで水平になって寝られなくなり、クッションを楔(くさび)のようにして横になって寝ることになる。
そしてとうとう手の指関節が動かなくなってきた。
「なぜどんどん悪くなっていくの…」
不安でたまらない。
たまらずかかりつけ医のいる近所の内科病院にかけ込んだ。
そこで川崎さんは血液検査の結果に驚く。
炎症反応値を示すCRP(正常値:0.3 mg/dl以下)は、CRP=10mg/dl.正常値の30倍の値だ。
他にもいくつかのマーカーが異常値を示していたが、膠原病(こうげんびょう)のマーカーである坑核坑体検(ANA、正常値40未満)が160と高かった。
「膠原病かもしれません。専門医を紹介します」
かかりつけ医に紹介状を書いてもらった。
この記事の著者
大久保 淳一(5yearsプロフィール)
日本最大級のがん患者支援団体 NPO法人5years理事長、本サイト(ミリオンズライフ)の編集人。
2007年、最終ステージの精巣がんを発病。生存率20%といわれる中、奇跡的に一命をとりとめ社会に復帰。自身の経験から当時欲しかった仕組みをつくりたいとして、2014年に退職し、2015年よりがん経験者・家族のためのコミュニティサイト5years.orgを運営。2016年より本サイトを運営。
現在はNPO法人5years理事長としてがん患者、がん患者家族支援の活動の他、執筆、講演業、複数企業での非常勤顧問・監査役、出身である長野県茅野市の「縄文ふるさと大使」として活動中。
>>新聞、雑誌、TV等での掲載についてはパブリシティを参照ください。
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