【ストーリー】松井雅彦さん 中咽頭がん ステージ4 サバイバー

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中咽頭がん ステージ4 サバイバー 松井雅彦さんのストーリーです。

このストーリーの目次

  1. 【ストーリー】松井雅彦さん 中咽頭がん ステージ4 サバイバー
  2. 第1話「続く微熱と喉の違和感」
  3. 第2話「耳鼻科クリニックへ」
  4. 第3話「がん告知」
  5. 第4話「食道へのがん転移」
  6. 第5話「今のうちに食べたいものを」
  7. 第6話「食道がんの切除手術と胃ろう設置」
  8. 第7話「放射線治療と抗がん剤治療」
  9. 第8話「退院。続く厳しい日々」
  10. 第9話「寛解。その後の日々」

第9話「寛解。その後の日々」

2015年12月に中咽頭がん(ステージ4、食道にがんが転移)と告げられた神奈川県逗子市在住の松井雅彦さん(55歳、2016年当時53歳)は、まず横浜南共済病院で内視鏡を使った手術で食道のがんを切除した。そして、2016年2月から4月にかけ放射線治療と抗がん剤(ドセタキセル、フルオロウラシル、シスプラチン)治療を受け退院した。

退院し自宅に戻った松井さんの目標は2つ。
食べられる食事の幅を広げること、そして6月に予定されているPET-CT検査を無事にクリアすること。
この頃は、まだ、唾液の量が少なく味覚障害もあるため基本的に乾いたもの、すっぱいもの、そして辛いものは食べれなかった。
ただ、サラダは水分が豊富なので意外と食べられた。

2016年6月2日、横浜市立大学附属病院。
松井さんは、特別な想いでPET-CT検査を受診した。
大事な検査だからだ。

そして、5日後の6月7日、妻と2人でその検査結果を聞きに病院を訪れた。
少し緊張して待合室にいると主治医から名前を呼ばれる。
中に入ると例の30代の若い担当医がPET-CTの結果をみている。

「あー、(がんの影が)消えていますね。今後は定期的に検査を受けていってください。良かったですね」

つまり、寛解ということだ。
うれしかった。
本当に嬉しかった。
これにより、7月から会社に復職する。
通勤し、会社に行き、仕事をする。
感無量で、「(俺は)元の世界に戻ってきた!」そう思えた。

7月には内視鏡による食道の検査も受けたが、これも問題なくクリア。
胃ろうは、夏明けの9月13日に除去された。
この日、本当にホッとしたのを覚えている。
がんを思い起こさせる邪魔なもの(胃ろう)が、ついに取り除かれたのだから。

冬には、カレーうどんを食べられるようになり、翌年3月には、牛丼、親子丼、天丼、さらにはオムライスまで食べられるようになる。
どんどん食べられるものが増えてゆく。
味覚障害は、かなり解消されたといってよい。

松井さんはスキーが好きで、毎年、妻と一緒に泊りがけで志賀高原と菅平高原に行った。
思い返すと、2016年1月に4泊5日で志賀高原に行く予定だった。
しかし、がんになり、内視鏡で食道のがんを切除したのが、ちょうどその頃だ。

だから、がん治療を終えて元気になったお祝いとして、この年(2016年)11月に、東京・神保町のスキーショップに行き、道具を新調した。
スキー板、ブーツ、ビンディング、ストック、
リセットしたくて新しく買った。

そして2016年12月に妻と一緒に菅平高原に2泊3日でスキー旅行。
年が変わり、2017年1月19日から4泊5日で志賀高原。

6月にはがんから1年の節目を迎え、ついに1年が経ったと喜んだ。
夏に2人で出雲大社にもお参りに行った。
11年前に結婚式を挙げたのが出雲の神様の関係だったので、がん治療を終えた今、お礼参りに行ってきた。

ところで体重はというと、がん発病前は73kgだったが、がん治療、胃ろうによる栄養剤補給などを経験して、60.5kgまで減った。
しかし今、65kgまで戻り、いい感じだ。

仕事はというと、売り場の応援のない仕事に替えてもらった。
唾液が出にくいため、常に口の中を湿らせておく必要がありマスクが欠かせない。
ただ、マスクをしたままでは、売り場には立てないため、物流関連の子会社に出向する。

2018年、今年はさらにパワーアップして、1月に志賀高原、2月に菅平高原に、妻と一緒のスキー旅行を楽しんできた。
5月には伊勢神宮を夫婦で参拝に行ってきた。
そして、6月、無事がんから2年の日を迎えた。

咽頭がんは2年を越えると再発リスクがぐっと下がるという。
その節目の2年を乗り越えた。
癌になったことで、知り合いも増えた。
ご縁を感じる。
昔からの友達、がんを通じて知り合う人たち、有難さが心にしみる。

いま、幸せな日常を取り戻している松井さんだ。

>>松井雅彦さんの「インタビュー」はこちら

>>松井雅彦さんの「がん経済」はこちら

取材:大久保淳一

この記事の著者

(5yearsプロフィール)

日本最大級のがん患者支援団体 NPO法人5years理事長、本サイト(ミリオンズライフ)の編集人。
2007年、最終ステージの精巣がんを発病。生存率20%といわれる中、奇跡的に一命をとりとめ社会に復帰。自身の経験から当時欲しかった仕組みをつくりたいとして、2014年に退職し、2015年よりがん経験者・家族のためのコミュニティサイト5years.orgを運営。2016年より本サイトを運営。
現在はNPO法人5years理事長としてがん患者、がん患者家族支援の活動の他、執筆、講演業、複数企業での非常勤顧問・監査役、出身である長野県茅野市の「縄文ふるさと大使」として活動中。
>>新聞、雑誌、TV等での掲載についてはパブリシティを参照ください。
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