悪性リンパ腫(ホジキンリンパ腫と濾胞性リンパ腫の混合リンパ腫) ステージ4 サバイバー 山本めぐみさんのストーリーです。
このストーリーの目次
- 【ストーリー】山本めぐみさん 悪性リンパ腫 ステージ4 サバイバー
- 第1話「腹部内の異物感」
- 第2話「大きくなるウェスト、左耳後ろの違和感」
- 第3話「病院へ」
- 第4話「消化器系か、婦人科、リンパのいずれか」
- 第5話「悪性リンパ腫でしょう」
- 第6話「日に日に悪化する体調」
- 第7話「病理検査の結果」
- 第8話「抗がん剤治療と副作用」
- 第9話「R-CHOP療法」
- 第10話「先に待つ3つの選択肢」
- 第11話「寛解」
- 第12話「間もなく、がんから2年」
第8話「抗がん剤治療と副作用」
2度目の生検の結果、悪性リンパ腫(B細胞型)の可能性が高いとして、抗がん剤(CHOP)療法が始まった石川県金沢市在住の山本めぐみさん(43歳、2015年当時41歳)は、ひどい体調の中、一日一日を乗り越えていた。
CHOP療法が始まって6日目、腹痛を感じる。
抗がん剤の副作用で便秘だったので、解消するために下剤を服用した。
そしたらその薬が身体に合わなかったみたいで強烈な腹痛を伴う腸炎を発症する。
この日・午後、追加の血液検査のために腕をアルコール綿で消毒したときのことだ。
その匂いで気持ち悪くなり、なんと意識を失い倒れてしまう。
周囲は騒然として大騒ぎになった。
きびしい、本当に厳しい毎日が続いていた。
家族には医師から「いつ何が起きても不思議ではない状態です」そんなことが伝えられる。
それは山本さんも同じ思いだった。
“明日か、明後日、死んでいるかもしれない…”、そんな想いで今を乗り越えている。
神様が与えた運命だと思えば悲壮感はないのだが、さすがに2歳の息子がお母さんのいない子になるのは可哀そうだ。
だから何としても死ねない、そんな気持ちがあった。
7月29日、腹水700mℓを抜いた。
このとき行っていた抗がん剤治療はCHOP療法で、通常なら投与するリツキサンを最初は使わなかった。
しかし、14日目の7月30日、ついにリツキサンを投与。
R-CHOPとなる。
8月4日にCT画像検査を行い抗がん剤治療第1クールの効果を測定。
そして8月6日から第2クールを開始。
2クール目はR-CHOP(リツキサン、シクロホスファミド、ドキソルビジン、ビンクリスチン、プレドニン)。
抗がん剤で病巣を叩く治療は続いていた。
8月11日、この日に撮影されたレントゲン画像から胸水が少し減っていると解る。
また肝臓・すい臓超音波検査では、問題ないと解り少しホッとする。
そして8月14日、病理検査の最終結果が出て主治医から報告を受けた。
「悪性リンパ腫、ステージ4、ホジキンリンパ腫と濾胞性(ろほうせい)リンパ腫の混合リンパ腫」
2種類のがんが混在する手ごわいがんだった。
次のページを読む >> 第9話「R-CHOP療法」この記事の著者
大久保 淳一(5yearsプロフィール)
日本最大級のがん患者支援団体 NPO法人5years理事長、本サイト(ミリオンズライフ)の編集人。
2007年、最終ステージの精巣がんを発病。生存率20%といわれる中、奇跡的に一命をとりとめ社会に復帰。自身の経験から当時欲しかった仕組みをつくりたいとして、2014年に退職し、2015年よりがん経験者・家族のためのコミュニティサイト5years.orgを運営。2016年より本サイトを運営。
現在はNPO法人5years理事長としてがん患者、がん患者家族支援の活動の他、執筆、講演業、複数企業での非常勤顧問・監査役、出身である長野県茅野市の「縄文ふるさと大使」として活動中。
>>新聞、雑誌、TV等での掲載についてはパブリシティを参照ください。
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