【ストーリー】山本めぐみさん 悪性リンパ腫 ステージ4 サバイバー

悪性リンパ腫(ホジキンリンパ腫と濾胞性リンパ腫の混合リンパ腫) ステージ4 サバイバー 山本めぐみさんのストーリーです。

このストーリーの目次

  1. 【ストーリー】山本めぐみさん 悪性リンパ腫 ステージ4 サバイバー
  2. 第1話「腹部内の異物感」
  3. 第2話「大きくなるウェスト、左耳後ろの違和感」
  4. 第3話「病院へ」
  5. 第4話「消化器系か、婦人科、リンパのいずれか」
  6. 第5話「悪性リンパ腫でしょう」
  7. 第6話「日に日に悪化する体調」
  8. 第7話「病理検査の結果」
  9. 第8話「抗がん剤治療と副作用」
  10. 第9話「R-CHOP療法」
  11. 第10話「先に待つ3つの選択肢」
  12. 第11話「寛解」
  13. 第12話「間もなく、がんから2年」

第10話「先に待つ3つの選択肢」

2度目の生検の結果、悪性リンパ腫(ステージ4、ホジキンリンパ腫と濾胞性(ろほうせい)リンパ腫の混合リンパ腫)と解った石川県金沢市在住の山本めぐみさん(43歳、2015年当時41歳)は、抗がん剤(R-CHOP)療法を受けていた。転院してからは、実家への外泊もでき、CVカテーテルも取れた。

一時の危険な状況からは少し遠ざかっている感じがした。
R-CHOP療法第3クールに入り、2015年9月9日、主治医から今後のことについて説明を受けた。
「胸水と腹水の量がかなり減りました。今後は(抗がん剤治療)4クール目を受けて頂き、それが終わったら、またPET検査をしてみましょう」
腹部にあるカラーボールのように反発するもの(=腫瘍)は、当初の半分ほどの大きさになったが、まだ握りこぶし大だと言う。
この時、医師は今後取り得る3つの治療について、詳しく説明した。

まず1つ目はR-CHOP療法を6コース行い、寛解すればその後リツキサン維持療法。

2つ目、寛解まで至らず、病巣がかなり残る、又は途中から大きくなる場合には、強化化学療法(もっと強い抗がん剤に変える)に変更。
その場合、抗がん剤によって造血機能がダメージを受けるので強化化学療法の前に幹細胞を採取し、冷凍保存し強化化学療法のあと寛解になればその幹細胞を戻す(幹細胞移植)。
他人の骨髄を移植する同種移植に対し、自分の骨髄を移植するので自家移植と呼ばれるものだという。
自家移植にするか、同種移植にするかの判断は、予後の考え方をすり合わせて選びたいと言う。

最後の3つ目、病巣が部分的に残ってしまった場合には、リンパ腫の型によって治療方法が変わるので、開腹手術をして、腹部にあるリンパ腫がどの型であるか調べる。

つまり、これからの4クール目が終わった後でPET検査を行い、その結果次第でR-CHOPのまま行くのか、強化化学療法を行うのかを判断。強い抗がん剤に変更すれば、その後幹細胞移植も行う必要もある。
どちらを選んだとしても、寛解に至らなければ開腹手術の必要が出てくると言うものだった。
大変な治療が待ち受けている感じがした。

そして始まったR-CHOP療法第4クール。2泊3日で退院し、以降は通院による治療となった。
急に発熱し、翌日、病院に行く日もあったが事なきを得てホッとする。

がん治療は予期せぬことの連続だ。
体調だって、良い日があったかと思うと、なんでこんなに調子が悪いんだろうと思う日もある。
医師の方針に従い、淡々と治療をこなす日々が続いていた。

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この記事の著者

(5yearsプロフィール)

日本最大級のがん患者支援団体 NPO法人5years理事長、本サイト(ミリオンズライフ)の編集人。
2007年、最終ステージの精巣がんを発病。生存率20%といわれる中、奇跡的に一命をとりとめ社会に復帰。自身の経験から当時欲しかった仕組みをつくりたいとして、2014年に退職し、2015年よりがん経験者・家族のためのコミュニティサイト5years.orgを運営。2016年より本サイトを運営。
現在はNPO法人5years理事長としてがん患者、がん患者家族支援の活動の他、執筆、講演業、複数企業での非常勤顧問・監査役、出身である長野県茅野市の「縄文ふるさと大使」として活動中。
>>新聞、雑誌、TV等での掲載についてはパブリシティを参照ください。
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