悪性リンパ腫(ホジキンリンパ腫と濾胞性リンパ腫の混合リンパ腫) ステージ4 サバイバー 山本めぐみさんのストーリーです。
このストーリーの目次
- 【ストーリー】山本めぐみさん 悪性リンパ腫 ステージ4 サバイバー
- 第1話「腹部内の異物感」
- 第2話「大きくなるウェスト、左耳後ろの違和感」
- 第3話「病院へ」
- 第4話「消化器系か、婦人科、リンパのいずれか」
- 第5話「悪性リンパ腫でしょう」
- 第6話「日に日に悪化する体調」
- 第7話「病理検査の結果」
- 第8話「抗がん剤治療と副作用」
- 第9話「R-CHOP療法」
- 第10話「先に待つ3つの選択肢」
- 第11話「寛解」
- 第12話「間もなく、がんから2年」
第5話「悪性リンパ腫でしょう」
腹部にあるカラーボールのようなものと左耳の後ろの腫瘤から金沢大学附属病院を受診した石川県金沢市在住の山本めぐみさん(43歳、2015年当時41歳)は、内視鏡検査の結果、消化器には異状がないと言われる。
6月15日。消化器系には問題がなかったので、次の可能性として婦人科を受診。
金沢大学附属病院・婦人科の医師もクリニックの医師と同じことを言う。
「(反発するものがある)場所が、子宮とか卵巣の位置と違うから、婦人科の病気じゃないと思うけど…」
ただ、しっかりと検査することになる。
さっそく翌日、PET検査を受け、6日後の6月22日にその検査結果を聞くことになった。
山本さんが勤めている税理士事務所では、仕事が分担され各人がそれぞれの仕事をこなしていた。
だから、山本さんが休むとその仕事はそのまま積み上がり、休職した場合、未処理分と合わせて山本さんの担当分を同僚の誰かがこなさなくてはならない。
今後の引継ぎのことを考えると迷惑をかけたくなく、なるべく自分の仕事を処理しておきたかった。
だから検査の結果を聞く日も、聞いたらその後、出社するつもりでいた。
そして6月22日。朝8時台、病院の診療開始前に待合室に着いた。
この病院は、毎朝9時から診察が始まるのだが、早く受診したい患者たちは始まる前に病院に来て呼ばれる順番を受け付ける番号を引いて待っている。
山本さんが到着したとき既に数人が待っていた。
順番のカードを引いて待っていると…、看護師が近づいてきてこちらに来てほしいと言う。
行くと婦人科の男性医師がいて、こう言われた。
「ただならぬことになっているので、いますぐ血液内科に行ってください」
まだ午前9時前で、先に順番を待っている患者たち数人がいるのに、皆をすっ飛ばして案内された。
ただ、血液内科に行くと今度は午後まで待つことになり、ようやく名前が呼ばれる。
診察室に入ると年配の男性医師が厳しそうな表情をしてPETの画像を観ていた。
「恐らく、ほぼほぼ、悪性リンパ腫でしょう」
今後は生検して、組織の病理検査を行うと言う。
最初に受診した消化器外科の医師が想像していた通りの結果だった。
消化器外科、婦人科、血液内科、そして今から生検の予約のため耳鼻科に行く。
1週間後の6月29日、山本さんは耳の後ろの腫瘤の組織を取り出すためにオペ室で生検を受けた。
この頃は腹部の腫れものが大きくなり、まるで妊婦のようなお腹になっていた。
ご飯を食べるのも一苦労で毎日がつらい。体調が悪く、一日中だるくて、しんどい。
2歳の息子には「ママは病気なの」そう正直に伝えた。
この記事の著者
大久保 淳一(5yearsプロフィール)
日本最大級のがん患者支援団体 NPO法人5years理事長、本サイト(ミリオンズライフ)の編集人。
2007年、最終ステージの精巣がんを発病。生存率20%といわれる中、奇跡的に一命をとりとめ社会に復帰。自身の経験から当時欲しかった仕組みをつくりたいとして、2014年に退職し、2015年よりがん経験者・家族のためのコミュニティサイト5years.orgを運営。2016年より本サイトを運営。
現在はNPO法人5years理事長としてがん患者、がん患者家族支援の活動の他、執筆、講演業、複数企業での非常勤顧問・監査役、出身である長野県茅野市の「縄文ふるさと大使」として活動中。
>>新聞、雑誌、TV等での掲載についてはパブリシティを参照ください。
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