慢性骨髄性白血病(CML) サバイバー藤田さんのストーリーです。
このストーリーの目次
- 【ストーリー】藤田誠二さん 慢性骨髄性白血病(CML)
- 第1話「献血ルームでの予備問診」
- 第2話「白血球の数と腰の痛み」
- 第3話「血液の数値異常。大きくなる不安」
- 第4話「血液検査結果報告書」
- 第5話「慢性骨髄性白血病の疑い」
- 第6話「骨髄穿刺」
- 第7話「仕事への復帰と治療の継続」
- 第8話「隠し続けてきた“がん”を明かしたこと」
- 第9話「誰かのヒーローに」
第4話「血液検査結果報告書」
2014年11月から腰に痛みを感じていた福岡県直方市在住の藤田誠二さん(41歳、2014年当時38歳)は、同年12月に再び献血ルームに行き医師から血液データがおかしいから病院に行くように勧められる。しかし、恐ろしさから行くのをためらっているうちに5日間が過ぎ、胃が痛くなりかかりつけ病院に行った。年の瀬が近いときだった。
かかりつけ医に胃が痛いと言うといつものストレス性のものだろうと返され、胃薬を処方された。
お腹の痛みはそれだけのことだった。
話しをしているうちに藤田さんは献血ルームでの出来事を明かした。
9月に白血球の数がやや高めで、先週は献血を断られた。だから血液検査をしてほしいと自分からお願いした。
「わかりました。一応検査はするけど、僕はいろんな患者さんを30年以上診ているけど、白血病の人なんて一度しか出会ってませんよ」
ついつい心配してしまう藤田さんを気遣ってか、そう言われた。
そして翌日には検査結果が出るから「明日以降にまた来てください」とのことだった。
翌日、12月29日(土曜日)
朝起きて、洗面、歯磨き、朝食と一通りのことを終え、マナーモードにしてあった携帯電話をチェックすると、あの病院から早朝に2度も電話が入っていた。
なんだろう…。不安になり電話すると「今すぐ来てほしい」そう言われる。
急いで病院に行き診察室に入ると硬い表情をした先生がいた。
いつもの和らいだ雰囲気はまったくない。
血液検査結果報告書をみせて「白血球の数が、18.0(x10*3/μL)と高い」という。
それよりも何より「ブラスト(芽球)値が7という高い値を示している」そう説明された。
ブラスト値なんて聞いたことのない藤田さんに医師は白血球が造られ死滅するまでの周期の話など詳しく説明する。
そして最後にこう言った。
「恐らくですが…、慢性骨髄性白血病の疑いがあります」
初めて“がん”の疑いを告げられた。
次のページを読む >> 第5話「慢性骨髄性白血病の疑い」この記事の著者
大久保 淳一(5yearsプロフィール)
日本最大級のがん患者支援団体 NPO法人5years理事長、本サイト(ミリオンズライフ)の編集人。
2007年、最終ステージの精巣がんを発病。生存率20%といわれる中、奇跡的に一命をとりとめ社会に復帰。自身の経験から当時欲しかった仕組みをつくりたいとして、2014年に退職し、2015年よりがん経験者・家族のためのコミュニティサイト5years.orgを運営。2016年より本サイトを運営。
現在はNPO法人5years理事長としてがん患者、がん患者家族支援の活動の他、執筆、講演業、複数企業での非常勤顧問・監査役、出身である長野県茅野市の「縄文ふるさと大使」として活動中。
>>新聞、雑誌、TV等での掲載についてはパブリシティを参照ください。
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