【ストーリー】藤田誠二さん 慢性骨髄性白血病(CML)

慢性骨髄性白血病(CML) サバイバー藤田さんのストーリーです。

このストーリーの目次

  1. 【ストーリー】藤田誠二さん 慢性骨髄性白血病(CML)
  2. 第1話「献血ルームでの予備問診」
  3. 第2話「白血球の数と腰の痛み」
  4. 第3話「血液の数値異常。大きくなる不安」
  5. 第4話「血液検査結果報告書」
  6. 第5話「慢性骨髄性白血病の疑い」
  7. 第6話「骨髄穿刺」
  8. 第7話「仕事への復帰と治療の継続」
  9. 第8話「隠し続けてきた“がん”を明かしたこと」
  10. 第9話「誰かのヒーローに」

第2話「白血球の数と腰の痛み」

2014年9月に献血ルームで白血球の数が少し多いと言われた福岡県直方市在住の藤田誠二さん(41歳、2014年当時38歳)は、医師が大丈夫でしょうと言ったので、普通に生活していたが2ヶ月後の11月仕事中に腰の痛みを感じた。

藤田さんはもともと腰痛持ちだった。
若いころ自転車が趣味でロードレース型、マウンテンバイク型両方乗りこなしていた。しかし14年前に自転車に乗っていたとき(カーブを曲がり切れず)落車したことがある。
全身がひどい打撲で、それ以来腰に痛みを感じていた。

だがいま仕事の休憩時間中に感じた腰の痛みは性格がまったく違う。
じっとしていても、ズキン、ズキン痛む。

「これは、いつもの腰痛ではないな…。何とも嫌な痛みだ」

しかし我慢しようと思えば我慢できるので病院には行かず、そのままにしておいた。
仕事が忙しいというのが理由だった。
病院に行ったら何か大変なことを言われるんじゃないかと思い、それが嫌で行かなかったというのも正直なところだ。

そういえば最近なんとも言えないだるさを感じるし、ときどき異常なほどのかゆみも感じる。

ついつい色んなことを不安に思ってしまう藤田さんは自然とインターネットで情報検索を始める。9月の献血で白血球の数、今月のだるさとかゆみ、そして腰の痛み、何だろう…。

可能性のある病気をリストアップしていくと「白血病」という病名がちらつく。
幼少のころ刷り込まれた恐いニュースが時々思い出される。
妻の淑美さんにそのことと腰の痛みのことを伝えると「あなたは大丈夫よ」と言われた。

いつもの優しい返事だった。
2009年から不安神経症を患っている藤田さんを気遣って淑美さんが常にかけてくれている言葉だった。

そうだよね…。
いつもの心配しすぎだよね。
ありがたく妻の言葉を受け入れた。

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この記事の著者

(5yearsプロフィール)

日本最大級のがん患者支援団体 NPO法人5years理事長、本サイト(ミリオンズライフ)の編集人。
2007年、最終ステージの精巣がんを発病。生存率20%といわれる中、奇跡的に一命をとりとめ社会に復帰。自身の経験から当時欲しかった仕組みをつくりたいとして、2014年に退職し、2015年よりがん経験者・家族のためのコミュニティサイト5years.orgを運営。2016年より本サイトを運営。
現在はNPO法人5years理事長としてがん患者、がん患者家族支援の活動の他、執筆、講演業、複数企業での非常勤顧問・監査役、出身である長野県茅野市の「縄文ふるさと大使」として活動中。
>>新聞、雑誌、TV等での掲載についてはパブリシティを参照ください。
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