【ストーリー】大山志乃香さん 子宮体がん・卵巣がん ステージ1 サバイバー

子宮体がん(子宮内膜がん)・卵巣がん ステージ1 サバイバー 大山志乃香さんのストーリーです。

このストーリーの目次

  1. 【ストーリー】大山志乃香さん 子宮体がん・卵巣がん ステージ1 サバイバー
  2. 第1話「大学生から30代まで」
  3. 第2話「大きくなる胸のしこり」
  4. 第3話「乳腺繊維腺腫の手術へ」
  5. 第4話「子宮頸がんと子宮体がんの検査」
  6. 第5話「子宮体がん(子宮類内膜腺がん)告知」
  7. 第6話「家族・会社への報告」
  8. 第7話「腹腔鏡下子宮全摘術+両側付属器切除+骨盤リンパ生検」
  9. 第8話「同時多発」
  10. 第9話「抗がん剤治療」
  11. 第10話「寛解」
  12. 第11話「自分にできることを」

第6話「家族・会社への報告」

2015年、不正出血が続き広島女性クリニックで子宮頸がんと子宮体がんの検査を受けた広島県広島市在住の大山志乃香さん(46歳、2015年当時43歳)は、子宮体がん(子宮類内膜腺がん)の告知をうけた。

がんの診断がおりた日、大山さんは一人、自宅で夫の帰りを待っていた。
メールとか、電話とか、そんな方法で事前に知らせることはしない。
正直、緊張していた。
報告するとき、なんて言ったらいいのか?夫は、どんな反応をするのか?
待つこと3時間、ただいまー、と帰ってきた夫のもとに行き、こう伝えた。
「よくなかった…」

驚く夫の顔をみて、自然に涙があふれてきた。
安心したのか、自分の不安を受け止めてくれる大切な人が帰ってきたからか、ともかく、泣けてきた。
そんな妻を夫は黙って抱きしめてくれる。
本当にありがたかった。
「そうか…、でも、もう、なっちゃったもんは仕方がないよ…」そう言っていた。

その週末、大山さんはインターネット検索をして、病気と治療のことを調べた。
手術のこと、後遺症のこと、転移した場合の最悪のケース。
目に入る情報は恐いものばかりで、気持ち悪く、吐きそうになる。

月曜日、会社の支店長にがんを伝えると、経過を逐一報告してほしいと言われた。
4月14日、火曜日、夫と一緒に広島女性クリニックを訪れ、改めて説明を受けた。
今後、手術を受けるのは、どこの病院が良いかということになり、相談のうえ広島市立広島市民病院を選んだ。
クリニックの男性医師は、その場で、広島市立広島市民病院の医師に電話して、大山さんの初診の予約(4月28日)も取ってくれた。
更に、ここからはスピードアップした方がいいだろうと、初診の前にクリニックと提携している画像検査専門の施設でMRI画像検査など事前に検査の段取りまでしてくれた。

色んなことが凄い速さで決まっていくが、その流れに身を任せた。

翌々週、大山さんは東京の実家に戻り、両親と姉に報告した。
姉にはすべて報告したが、両親を心配させたくなかったので、親には子宮の手術を受けるとだけ伝え、がんのことは触れなかった。

2015年4月28日、広島市立広島市民病院・婦人科。
大山さんとご主人は、診察室で初診を受けていた。

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この記事の著者

(5yearsプロフィール)

日本最大級のがん患者支援団体 NPO法人5years理事長、本サイト(ミリオンズライフ)の編集人。
2007年、最終ステージの精巣がんを発病。生存率20%といわれる中、奇跡的に一命をとりとめ社会に復帰。自身の経験から当時欲しかった仕組みをつくりたいとして、2014年に退職し、2015年よりがん経験者・家族のためのコミュニティサイト5years.orgを運営。2016年より本サイトを運営。
現在はNPO法人5years理事長としてがん患者、がん患者家族支援の活動の他、執筆、講演業、複数企業での非常勤顧問・監査役、出身である長野県茅野市の「縄文ふるさと大使」として活動中。
>>新聞、雑誌、TV等での掲載についてはパブリシティを参照ください。
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