すい臓がん(膵体部癌) ステージ4サバイバー 池田実さんのストーリーです。
このストーリーの目次
- 【ストーリー】池田実さん すい臓がん ステージ4 サバイバー
- 第1話「IT業界を経て会社設立へ」
- 第2話「胃腸の不快感」
- 第3話「唐突なすい臓がん告知」
- 第4話「入院~検査ずくめの日々」
- 第5話「余命3ヶ月」
- 第6話「医師が決断したオペ」
- 第7話「手術を終えて」
- 第8話「退院・帰宅」
- 第9話「死の受容と抗がん剤治療」
- 第10話「治療の終了へ」
- 第11話「復職。がんから2年。」
- 第12話「薬の力を借りながら」
- 第13話「5年を迎えて」
第3話「唐突なすい臓がん告知」
大学卒業後、35間勤務した大手電機メーカーのIT子会社を2001年に退職し、2005年に自分のITベンチャー会社を設立した千葉県船橋市在住の池田実さん(73歳、2012年当時68歳)は、事業が軌道に乗らず苦労していた。そんな最中の2012年8月、胃腸にわずかに不快感があり病院に行くことにした。
2012年8月。
「今日、私、病院に行くから一緒に診てもらったらどう?」妻にそう言われた。
自宅から歩いて5分ほどの距離にある千葉徳洲会病院。
そうだな…、会社に行く前にちょっと病院に立ち寄って行こうかな。
そんな軽い気持ちで、妻と病院に行く。
初診だったので待たされること1時間、内科で名前が呼ばれた。
診察室に入ると30代の温和な感じの女性医師が座っていた。
体調について詳しく説明すると、さっそくレントゲン撮影と血液検査。
その上で、この日にCT画像検査も行われた。
次回、1週間後の外来で今日の検査結果が伝えられることになった。
それから1週間、普通に生活を送っていた。
検査結果を聞く日。
病院に行くと、この日は患者が大勢いて待合室はとても混雑していた。
待つこと2時間、看護師に順番を確認してみると、自分の前にまだ10人以上もいるという。
たまらず、「スミマセン。今日は時間がなくて、もう、会社に行かなくちゃならないので、また、次回来ます」
そう言うと、看護師は医師と確認するから、もう少し待っていてほしいという。
指示に従って待合室いると、看護師から「次に、池田さんが呼ばれます」そう言われた。
他の患者たち10人以上を、すっ飛ばして自分が呼ばれる。
「なんだろう…、何かあったのかな?」
初めて、漠とした不安が頭をよぎった。
考えてみれば自分はめったに風邪もひかないし、寝込んだことも無い。
10年以上病院に縁がなく健康には自信があった。
そんなことを思っていたら、さっそく名前が呼ばれる。
診察室に入ると、例の女性医師がCTの画像を覗き込むように見ている。
そして、こう言った。
「すい臓がんです。これは、相当進んでいるので、手術は難しいと思います。一般的には、抗がん剤を使って、病巣が小さくなったら手術するという方法をとりますが、院長(=外科医)が何というか。ともかく今日、このまま、入院してください」
えっ…?すべてが唐突な出来事だった。
この記事の著者
大久保 淳一(5yearsプロフィール)
日本最大級のがん患者支援団体 NPO法人5years理事長、本サイト(ミリオンズライフ)の編集人。
2007年、最終ステージの精巣がんを発病。生存率20%といわれる中、奇跡的に一命をとりとめ社会に復帰。自身の経験から当時欲しかった仕組みをつくりたいとして、2014年に退職し、2015年よりがん経験者・家族のためのコミュニティサイト5years.orgを運営。2016年より本サイトを運営。
現在はNPO法人5years理事長としてがん患者、がん患者家族支援の活動の他、執筆、講演業、複数企業での非常勤顧問・監査役、出身である長野県茅野市の「縄文ふるさと大使」として活動中。
>>新聞、雑誌、TV等での掲載についてはパブリシティを参照ください。
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