浸潤性乳管がん トリプルネガティブ ステージ2B サバイバー 関根亜希子さんのストーリーです。
このストーリーの目次
- 【ストーリー】関根亜希子さん 乳がん(浸潤性乳管癌) ステージ2 サバイバー(トリプルネガティブ)
- 第1話「乳がん検診」
- 第2話「右胸のしこり」
- 第3話「生検」
- 第4話「極めて高いがんの疑い」
- 第5話「ごめんね」
- 第6話「トリプルネガティブ」
- 第7話「つらい報告」
- 第8話「がん転移の告知」
- 第9話「抗がん剤治療、CEF療法」
- 第10話「抗がん剤治療終了。手術へ」
- 第11話「全摘か部分切除か」
- 第12話「職場への復職」
- 第13話「がんになったことは私にとってほんの一部のこと」
第6話「トリプルネガティブ」
右胸とわきの下の2ヵ所にしこりが見つかり詳しく検査するために生検を受けた結果、がんの疑いを告げられた埼玉県在住の関根亜希子さん(41歳、2015年当時40歳)は、その夜、夫に報告した。これから何がどうなるのかわからず不安だった。
2015年7月9日
1人で病院に行きがんの疑いを伝えられてから1週間後の日だった。
この日は正明さん(仮名)も一緒に来た。
狭い診察室に医師と3人。
担当医から詳しい病理検査の結果が報告された。
「取った細胞の病理を調べた結果、浸潤性の乳がんと解りました。そしてこれはトリプルネガティブというものになります」
トリプルネガティブ…。
エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、HER2の三つが腫瘍細胞に発現していない乳がんだという。
結論は、ホルモン療法が効かないタイプのがんだと説明された。
しこりの大きさが3cm×4cmと大きいので、今後の治療としてはまず抗がん剤を使ってがん病巣を小さくし、その後手術により取り除く方法が推奨されると説明された。
進行ステージは、「ステージ2b」
「うちはクリニックなのでこの治療を行えません。どこの病院でも紹介状を書きますから。どこがいいですか?」
そう言われて困った。
担当医は埼玉県にある中規模の病院から定期的にこのクリニックに来ていると言う。
その病院であれば自宅から遠くないので通うのは楽だ。
それまで無口だった夫も積極的に質問していた。
だがその病院だと乳腺外科はあるけど形成外科がない。
今後の経過次第だが、オペをして乳房再建まで行おうとすると形成外科がある病院の方がいいと思う。
病院を決められないので、取り敢えず1週間考えさせてほしいと伝え診察室をでた。
しかし会計を待っているまでの時間、夫と二人で話していると病院は家から近いほうが絶対にいいと正明さんに言われ、もう一度診察室に戻りその病院への紹介状を書いてもらうことになる。
患者にとって病院選びは難しい。
非日常の世界で何をどう決めていけばいいのか解らないことだらけになっていた。
この記事の著者
大久保 淳一(5yearsプロフィール)
日本最大級のがん患者支援団体 NPO法人5years理事長、本サイト(ミリオンズライフ)の編集人。
2007年、最終ステージの精巣がんを発病。生存率20%といわれる中、奇跡的に一命をとりとめ社会に復帰。自身の経験から当時欲しかった仕組みをつくりたいとして、2014年に退職し、2015年よりがん経験者・家族のためのコミュニティサイト5years.orgを運営。2016年より本サイトを運営。
現在はNPO法人5years理事長としてがん患者、がん患者家族支援の活動の他、執筆、講演業、複数企業での非常勤顧問・監査役、出身である長野県茅野市の「縄文ふるさと大使」として活動中。
>>新聞、雑誌、TV等での掲載についてはパブリシティを参照ください。
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