進行性大腸がん(直腸がん) ステージ3 サバイバー 加藤由正さんのストーリーです。
このストーリーの目次
- 【ストーリー】加藤由正さん 直腸がん ステージ3 サバイバー
- 第1話「40歳。便潜血(+)陽性反応」
- 第2話「56歳。2年連続で陽性反応」
- 第3話「人間ドック」
- 第4話「大腸内視鏡検査~直腸がんの診断」
- 第5話「セカンドオピニオン」
- 第6話「進行性大腸がん(直腸がん)、ステージ3A」
- 第7話「超低位前方切除術」
- 第8話「手術後」
- 第9話「7年目を迎えて」
第8話「手術後」
2011年、進行した大腸がん(進行性直腸がん、ステージ3A)が見つかった埼玉県所沢市在住の加藤由正さん(65歳、2011年当時57歳)は、2011年5月に手術(超低位前方切除術)を受けたが、人工肛門とはならず、自然肛門として温存された。
「これが排便障害というやつか…」
自身で大便をコントロールできないことは、正直悩ましく、加藤さんはその後も苦労する。
ただ、とても元気な患者だった。
直腸を切除したと言うのに、数日すると病院内にあるコンビニで好物のプリンを買って食べているのだから。
6月1日、20日間に及ぶ入院生活を経て退院。
自宅に戻ったか加藤さんは、先ず今後の食事のことを考える。
書店で大腸がん患者向けのレシピ本を買い、妻にお願いして食事管理を行うことにする。
入院前68kgあった体重は、3ヶ月後には60.5kgと減っていった。
体重は減っているのだが元気だった。
万歩計をつけて運動量を計測し、1日、4000歩から多い時には1万5000歩も歩く。
そして手術1ヶ月後には車も運転する。
あまりに元気なので、会社と相談し6月27日に復職した。
会社復帰…、再び同じ場所に戻ってきて、普通に仕事ができる。
とても嬉しかった。
ただ一方で、通勤は苦労する。
なぜなら、電車に乗っている間に自然と便が出てしまいかねないからだ。
直腸がん患者だから、排便のコントロールが難しい。
常に紙おむつをして、毎日5枚も持参して、会社から帰宅する頃にはすべて使い切ってしまう。
途中下車も多く、自宅の最寄り駅から会社までの道中、どの駅のどこら辺に多目的トイレがあるのか全て確認し、通勤していた。
手術後の治療はというと、6月18日から術後補助化学療法として抗がん剤(ゼローダ)を服用。
1日10錠を2週間連続で飲み、その後1週間は休薬する3週間を1クールとする治療を合計8クール行うと言うのだ。都合、24週間にも及ぶ。
手のひらがてかり、赤みを帯び、足の指の付け根に水泡ができ、足の小指の爪が抜けた。
副作用があるものの24週に及ぶ治療をやり遂げた2011年11月25日、「ようやく終わった」とホッとした。
この記事の著者
大久保 淳一(5yearsプロフィール)
日本最大級のがん患者支援団体 NPO法人5years理事長、本サイト(ミリオンズライフ)の編集人。
2007年、最終ステージの精巣がんを発病。生存率20%といわれる中、奇跡的に一命をとりとめ社会に復帰。自身の経験から当時欲しかった仕組みをつくりたいとして、2014年に退職し、2015年よりがん経験者・家族のためのコミュニティサイト5years.orgを運営。2016年より本サイトを運営。
現在はNPO法人5years理事長としてがん患者、がん患者家族支援の活動の他、執筆、講演業、複数企業での非常勤顧問・監査役、出身である長野県茅野市の「縄文ふるさと大使」として活動中。
>>新聞、雑誌、TV等での掲載についてはパブリシティを参照ください。
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