慢性骨髄性白血病 サバイバー 久田邦博さんのストーリーです。
このストーリーの目次
- 【ストーリー】久田邦博さん 慢性骨髄性白血病 サバイバー
- 第1話「血液検査」
- 第2話「高い白血球の値」
- 第3話「慢性骨髄性白血病の可能性」
- 第4話「骨髄穿刺」
- 第5話「骨髄移植かインターフェロンか」
- 第6話「インターフェロン入院治療の開始」
- 第7話「死を意識して」
- 第8話「イマチニブへの切替えと異動」
- 第9話「16年が経って」
第1話「血液検査」
名古屋支店への転勤に伴い新しい病院の医師から勧められた。
「インターフェロンが効かなくなったら移植を考えると言われますが、インターフェロンを続けていると移植が難しくなることがあることをご存知ですか?新薬は治療成績もいいし、作用機序も理に適っているため、僕だったら今この時点で新薬の方に(治療を)切り替えます。どうしますか?」
治療変更は命がけの選択。
一瞬悩んだが、この医師の説明に納得して覚悟を決めてそうすることにした。
2001年7月、愛知県名古屋市在住の久田邦博さん(54歳、2001年当時38歳)は、神奈川県の総合病院を訪れた。
以前から血圧が高く、その治療として定期的に血圧を抑える降圧剤を服用していたが、4月の転勤で静岡から神奈川に移ったため通院する病院も替えることになった。
静岡の病院で最後に処方された薬がいよいよ底をついたので新たな病院は自分で調べて訪問した。
朝一で総合診療内科を受診すると若い男性で真面目そうな医師が対応した。
引き続き同じ降圧剤の処方が目的だが新しい患者なので、「まず血液検査をしましょう」と言われる。
気が利く若い医師は「(この血液検査は)取り敢えずの検査なので、結果は次回の外来で報告します」そう言った。
診察室をでると採血を済ませ処方された降圧剤を薬局で受け取り会社に戻った。
確か昼前の11時半過ぎだった。
妻から電話があったようで、デスクにメモがある。
さっそく折り返しの電話をしてみると、先程の若い男性医師から自宅に電話があり「白血球の値が高いので病院に戻ってきてほしい」と伝えられたという。
その事実を淡々と伝える妻。
一方、薬剤師の資格を持つ久田さんは嫌な感じがした。
「きっと、良い連絡ではないな…」
そう感じていた。
この記事の著者
大久保 淳一(5yearsプロフィール)
日本最大級のがん患者支援団体 NPO法人5years理事長、本サイト(ミリオンズライフ)の編集人。
2007年、最終ステージの精巣がんを発病。生存率20%といわれる中、奇跡的に一命をとりとめ社会に復帰。自身の経験から当時欲しかった仕組みをつくりたいとして、2014年に退職し、2015年よりがん経験者・家族のためのコミュニティサイト5years.orgを運営。2016年より本サイトを運営。
現在はNPO法人5years理事長としてがん患者、がん患者家族支援の活動の他、執筆、講演業、複数企業での非常勤顧問・監査役、出身である長野県茅野市の「縄文ふるさと大使」として活動中。
>>新聞、雑誌、TV等での掲載についてはパブリシティを参照ください。
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