大腸がん(下行結腸がん)ステージ2~3 サバイバー 岩井ますみさんのストーリーです。
このストーリーの目次
- 【ストーリー】岩井ますみさん 大腸がん(下行結腸がん)ステージ4サバイバー
- 第1話「毎年の健康診断」
- 第2話「検査報告書の便潜血・陽性+」
- 第3話「大腸内視鏡検査」
- 第4話「11月下旬の寒い夜」
- 第5話「大腸がんの確定診断」
- 第6話「毎週の検査と仕事への不安」
- 第7話「やりたい仕事を断るつらさ」
- 第8話「手術と退院後の仕事」
- 第9話「腫瘍マーカー。肝臓への転移」
- 第10話「抗がん剤(TS-1)治療」
- 第11話「手術~抗がん剤治療。強い副作用」
- 第12話「がんの告知から3年半」
- 第13話「これまでのキャリアと向き合って」
第13話「これまでのキャリアと向き合って」
2008年に大腸がん(下行結腸がん)を発症し、翌2009年に肝臓への転移(ステージ4)、2010年に2度目の手術を受け、その後、抗がん剤治療を受けていた千葉県市川市在住の岩井ますみさん(53歳、2011年当時47歳)は2012年5月まで抗がん剤治療を受けすべての治療を終えた。しかしその後、父親が倒れ岩井さんが介護する生活になる。2013年12月父親は他界した。
父親の死、残された母親のこと。
岩井さんはこの時、これまで積み上げてきたキャリアと向き合った。
44歳になった時はまるで自分のやりたいことはやり遂げ燃え尽きたようだった。
しかし家族の介護、認知症という身近なテーマに身を置き、自分がこれからやりたいことが解った。
キーワードは「予防」と「地元」。
振り返るとこの20年間、地元の市川市から東京に通い上り列車に乗る生活だった。
これほど長くこの街に住んでいるのに、地元のことを知らないし、知り合いもいない。
市川市の魅力に気づいていなかったのだ。
だから地元で出来るスクールとか教室講師の仕事を通じて愛着のあるこの街に貢献したいと思った。
独立した1993年以降、色と香りの生活提案「イリデセンス(https://iridescence.jp/)」を行ってきたが、今その基盤を地元に据え「大人のおしゃれレッスン」という教室を開校した。
その教室のテーマは、自分のような闘病中の人も介護中の人も月に1回だけでもいい、自分が輝く時間、自分のためだけの時間を持ってもらいたいというもの。
内容は大人のおしゃれレッスン(ビューティーカラーレッスン)とアロマテラピーの2本柱。
なんだろう…、いまの岩井さんには実にしっくりくるのだ。
レッスンの内容自体は市川市にこだわる必要はないが、地元にしっかり根を張った教室とレッスンにしたいと思っている。
さらに「認知症は予防できる」ことを伝えたい。
これからの日本でとても大きなテーマである認知症予防、それに取り組みたいのだ。
2014年から勉強を始め2017年には認知症予防専門士の資格も取った。
家族の介護を体験した岩井さんならではの伝え方がある。
年齢を重ねても楽しくきれいにすることで生活そのものにウキウキ感を醸成し認知症予防につなげられたら素晴らしい。
一方がんを経験した者として、闘病中の自分に必要だった事と読みたかった情報を纏め、本として出版。
『働く女性のためのがん入院・治療生活便利帳』(講談社)
くじけない前向きな生き方、そして闘病中の人が経験者の知恵を借りる事で準備できる事、短縮できる時間を使って、自分のために時間を使ってもらいたいとして書き上げた。
フリーランスの仕事としては発病前の状況にはまだ程遠い。
どうしたいいのか、どうやって生きたらいいのかと悩む自分もいる。
しかしもう一度新たなスタートを切ったんだと心を整理するとすべてが前年の成果を上回る。
頑張れば頑張るだけ成果が出る。
明らかに一段も二段も上の成長した自分に出会えている。
がん治療を終え4年、まだいろいろと大変だけど今そして次を楽しみに積極的になっている。
この記事の著者
大久保 淳一(5yearsプロフィール)
日本最大級のがん患者支援団体 NPO法人5years理事長、本サイト(ミリオンズライフ)の編集人。
2007年、最終ステージの精巣がんを発病。生存率20%といわれる中、奇跡的に一命をとりとめ社会に復帰。自身の経験から当時欲しかった仕組みをつくりたいとして、2014年に退職し、2015年よりがん経験者・家族のためのコミュニティサイト5years.orgを運営。2016年より本サイトを運営。
現在はNPO法人5years理事長としてがん患者、がん患者家族支援の活動の他、執筆、講演業、複数企業での非常勤顧問・監査役、出身である長野県茅野市の「縄文ふるさと大使」として活動中。
>>新聞、雑誌、TV等での掲載についてはパブリシティを参照ください。
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