前立腺がん 大腸がん(直腸がん) ステージ3a サバイバー吉田さんのストーリーです。
このストーリーの目次
- 【ストーリー】吉田博行さん 前立腺がん 大腸がん(直腸がん) ステージ3a
- 第1話「貴重な経験」
- 第2話「重なる転職」
- 第3話「営業部門の宴会にて」
- 第4話「一滴も出ないオシッコ」
- 第5話「前立腺肥大の疑い」
- 第6話「前立腺がんの疑いへ」
- 第7話「検査入院。生検による細胞診。」
- 第8話「リンパ節転移。手術ができない。」
- 第9話「食欲不振」
- 第10話「嘔吐、血の混じる大便、残尿感」
- 第11話「重篤な大腸(直腸がん)」
- 第12話「アバスチンの副作用 血栓」
- 第13話「間質性肺炎の発症」
- 第14話「元気に続ける治療」
第5話「前立腺肥大の疑い」
2011年11月22日に会社の営業部門の宴会で盛りあがり仲間たちと3軒もはしごをした東京都世田谷区在住の吉田博行さん(65歳、2011年当時60歳)は、その夜に何回もトイレに行くがオシッコが出ずお腹が痛み出す。あまりの痛みから救急で国立病院機構東京医療センターに行った。
救急治療室のベッドの上で横になり痛みに耐えていた。
カーテンで仕切られたベッドが10以上あり待合室を含めると患者と家族が20人ほどいる。
やがて女性のお医者さんがやって来てお腹をポンポンと触り診断して「これはオシッコが溜まっていて出ないのね。すぐに抜きましょう」そう言った。
看護師がビニール管を持って来て医師はペニスの尿道にそのビニール管を押し入れていった。
この時の吉田さんには恥ずかしいという気持ちはなく、とにかく早く助けてほしいというだけだった。
管を押し入れるとサッーっとオシッコが出てきてさっきまでの苦しみから解放された。
これで、本当にスッキリした。
医師の診断は「閉尿(へいにょう)」。
その上でこの日は勤労感謝の日で病院はお休みのため、休み明けにしっかり泌尿器科で診てもらうように言われた。
またもし家に帰って同じようなことが起こるのであればよくないので、休日でも診察してくれる病院の連絡先メモを渡された。
オシッコが出て元気になった吉田さんだったが、夜中に一睡もしていないため自宅に戻ると昼寝した。
一瞬の幸せな時間だった。
しかし昼過ぎになるとまた同じことが起こる。
尿意はあるがオシッコが出ないのだ。お腹も何となく痛くなってきた感じがする。
東京医療センターから渡されたメモをみて世田谷区代沢にある小林外科胃腸科に行った。
行くと同じことをされた。
ビニール管を尿道に入れられてオシッコを抜く。再び一大事にはならず済んだ。
そして医師からこう言われる。
「PSA値を計った方がいいと思います。血液検査をしましょう」
前立腺肥大症の疑いがあるということだった。
吉田さんは、これまでの健康診断でそんなこと言われたことないのにと不思議に思った。
排尿を促す薬「フリバス25mg」を処方され、1週間を過ぎてからもう一度来てほしい、検査結果を知らせますと言われた。
それからはオシッコが出ないということはなく、とりあえず安心して普段の生活に戻れた。
次のページを読む >> 第6話「前立腺がんの疑いへ」この記事の著者
大久保 淳一(5yearsプロフィール)
日本最大級のがん患者支援団体 NPO法人5years理事長、本サイト(ミリオンズライフ)の編集人。
2007年、最終ステージの精巣がんを発病。生存率20%といわれる中、奇跡的に一命をとりとめ社会に復帰。自身の経験から当時欲しかった仕組みをつくりたいとして、2014年に退職し、2015年よりがん経験者・家族のためのコミュニティサイト5years.orgを運営。2016年より本サイトを運営。
現在はNPO法人5years理事長としてがん患者、がん患者家族支援の活動の他、執筆、講演業、複数企業での非常勤顧問・監査役、出身である長野県茅野市の「縄文ふるさと大使」として活動中。
>>新聞、雑誌、TV等での掲載についてはパブリシティを参照ください。
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