前立腺がん 大腸がん(直腸がん) ステージ3a サバイバー吉田さんのストーリーです。
このストーリーの目次
- 【ストーリー】吉田博行さん 前立腺がん 大腸がん(直腸がん) ステージ3a
- 第1話「貴重な経験」
- 第2話「重なる転職」
- 第3話「営業部門の宴会にて」
- 第4話「一滴も出ないオシッコ」
- 第5話「前立腺肥大の疑い」
- 第6話「前立腺がんの疑いへ」
- 第7話「検査入院。生検による細胞診。」
- 第8話「リンパ節転移。手術ができない。」
- 第9話「食欲不振」
- 第10話「嘔吐、血の混じる大便、残尿感」
- 第11話「重篤な大腸(直腸がん)」
- 第12話「アバスチンの副作用 血栓」
- 第13話「間質性肺炎の発症」
- 第14話「元気に続ける治療」
第12話「アバスチンの副作用 血栓」
2011年に前立腺がん、2015年に大腸がん(直腸がん)を発症した東京都世田谷区在住の吉田博行さん(65歳、2015年当時64歳)は、2015年4月23日に11時間にも及ぶ手術を無事に終えた。
吉田さんは5月のゴールデンウィーク明けに退院した。
そして6月からさっそく抗がん剤治療(ユーエフティ、ユーゼル療法)が始まった。
これはユーエフティとユーゼルの2種類の経口薬を服用するもので28日間毎日飲み続け1週間休む。これを繰り返す治療だ。
そして会社はというと6月の中旬に復帰した。
一日も早く仕事に戻りたいという吉田さんの願いを会社が聞いてくれた。
そのことを担当医に話すと驚かれてすごい回復力と褒められた。
「はい。悪い所は切って取っておしまい。あとは予防的な抗がん剤治療ですから」
晴れ晴れとした気持ちで会社の人からもお客さんからも「えらく元気ですね!」「すごいですね」と言われ益々元気になる。
仕事に復帰できたことが嬉しかった。
心配した周囲の人たちも幸せそうに仕事をする吉田さんに逆に励まされる。
11月に入ると今後は点滴による抗がん剤治療(FOLFIRI療法、アバスチン)に替わると言われ、胸にCVポートを設置するための処置入院が行われた。
この抗がん剤治療の効果を実感した吉田さんは順調に1クール、2クールとこなし翌年2016年には4クール目までこなしていた。
しかし、2月に大変なことが起こる。
急に左脚の付け根が腫れだしまるで太い丸太のようになった。
あわてて病院に行き調べると血栓ができているという。
抗がん剤アバスチンの副作用だった。
さらに詳しく調べると血栓が肺にもできているとわかり慌てた医師が「血栓だ。血栓。入院だよ、直ぐに入院!」と早口で言う。
仕事の予定があるから急にそんなこと言われても困ると吉田さんが言うと「何を言ってんですか。一刻を争うんですよ」と呆れられた。
それから1週間、入院しての治療が行われた。
血栓が肺にとどまっていてよかった。
心臓とか、脳に飛んでいたら大変なことだった。
吉田さんはつくづく自分は運が良いと感じた。
この記事の著者
大久保 淳一(5yearsプロフィール)
日本最大級のがん患者支援団体 NPO法人5years理事長、本サイト(ミリオンズライフ)の編集人。
2007年、最終ステージの精巣がんを発病。生存率20%といわれる中、奇跡的に一命をとりとめ社会に復帰。自身の経験から当時欲しかった仕組みをつくりたいとして、2014年に退職し、2015年よりがん経験者・家族のためのコミュニティサイト5years.orgを運営。2016年より本サイトを運営。
現在はNPO法人5years理事長としてがん患者、がん患者家族支援の活動の他、執筆、講演業、複数企業での非常勤顧問・監査役、出身である長野県茅野市の「縄文ふるさと大使」として活動中。
>>新聞、雑誌、TV等での掲載についてはパブリシティを参照ください。
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