前立腺がん 大腸がん(直腸がん) ステージ3a サバイバー吉田さんのストーリーです。
このストーリーの目次
- 【ストーリー】吉田博行さん 前立腺がん 大腸がん(直腸がん) ステージ3a
- 第1話「貴重な経験」
- 第2話「重なる転職」
- 第3話「営業部門の宴会にて」
- 第4話「一滴も出ないオシッコ」
- 第5話「前立腺肥大の疑い」
- 第6話「前立腺がんの疑いへ」
- 第7話「検査入院。生検による細胞診。」
- 第8話「リンパ節転移。手術ができない。」
- 第9話「食欲不振」
- 第10話「嘔吐、血の混じる大便、残尿感」
- 第11話「重篤な大腸(直腸がん)」
- 第12話「アバスチンの副作用 血栓」
- 第13話「間質性肺炎の発症」
- 第14話「元気に続ける治療」
第10話「嘔吐、血の混じる大便、残尿感」
前立腺がんの治療を2012年から始めPSA値が標準値まで下がった東京都世田谷区在住の吉田博行さん(65歳、2015年当時64歳)は、その後オシッコが出ないことはなく治療薬リュープリンの副作用を除けば特に問題はなかった。しかし、2年後にお腹の調子が悪くなり内科で診てもらったが大丈夫だろうという見立てだった。
2015年1月
年が明けて以降も吉田さんの体調はイマイチだった。
食事の時はいつも吐き気を感じた。嘔吐したことも2度あった。
おかしいと思い再び内科を受診するが下剤を処方された。
相変わらず大便のとき血が出ることがある。
そして常に残便感がありスッキリしない。
2015年3月5日、三軒茶屋にあるかかりつけ病院の「ちえ内科クリニック」に行った。
吉田さんは昔から血圧が高くこの病院で降圧剤を処方してもらっていた。
12月から続く様々な症状を先生に打ち明けたところ、アドバイスされる。
「それはやばいよ。その症状だったら消化器内科で診察を受けるべきだよ。私が紹介状、書きますよ」
やはり消化器内科だと言われた。
前立腺がんの治療を受けている自分に2つ目のがんがあるはずないという気持ちと、もしかしたら別のがんがあるんじゃないかという不安。
その日、妻の涼子さんに話すと困ったように呆れられた。
「だから、言ったじゃない!」
家族にもそう言われ、これは前立腺の時より大変かことかもしれないと感じだす。
今度は手術も抗がん剤もあるかもしれない。
大きな後悔が心の中で広がっていった。
翌日、3月6日東京医療センターを受診すると血液検査が行われ腫瘍マーカーの一つCEAが高い値を示していると言われる。そして1週間後のMRI検査の予定を入れられた。
そのMRI検査の翌々日、担当医からこう言われる。
「直腸の部分が大きく腫れています。入院して詳しい検査を受けてください」
腫れている…。
この言葉が「がんの疑い」を意味していることはわかった。
大変なことになってきた。
この記事の著者
大久保 淳一(5yearsプロフィール)
日本最大級のがん患者支援団体 NPO法人5years理事長、本サイト(ミリオンズライフ)の編集人。
2007年、最終ステージの精巣がんを発病。生存率20%といわれる中、奇跡的に一命をとりとめ社会に復帰。自身の経験から当時欲しかった仕組みをつくりたいとして、2014年に退職し、2015年よりがん経験者・家族のためのコミュニティサイト5years.orgを運営。2016年より本サイトを運営。
現在はNPO法人5years理事長としてがん患者、がん患者家族支援の活動の他、執筆、講演業、複数企業での非常勤顧問・監査役、出身である長野県茅野市の「縄文ふるさと大使」として活動中。
>>新聞、雑誌、TV等での掲載についてはパブリシティを参照ください。
>>NPO法人5yearsの組織概要はこちら
-Sponsored-