大腸がん(S状結腸がん)ステージ4サバイバー 中川さんのがんに関するストーリーです。
このストーリーの目次
- 【ストーリー】中川美和さん 大腸がん(S状結腸がん)ステージ4
- 第1話「なぜだか解らない毎日の疲れ」
- 第2話「これはがんです」
- 第3話「矛盾した2つの思い」
- 第4話「ICUと人工肛門(ストーマ)」
- 第5話「あわただしく過ぎていく毎日」
- 第6話「肝臓へのがん転移」
- 第7話「自宅療養から再度のがん転移」
- 第8話「幸せをかみしめる日々」
第1話「なぜだか解らない毎日の疲れ」
「4年半かかったけど、ようやく抗がん剤治療が終わった。本当に長かった…」
2007年9月から始まった大腸がんと抗がん剤治療に、ついに終止符を打った2012年2月、その幸せを心からかみしめた。
東京都目黒区に住む外資系銀行に勤める中川美和さん(仮名57歳、2007年当時48歳)は、9年前の2007年8月、なぜだか解らないが、毎日とても疲れていた。
貧血症状もある。
外資系銀行の在日代表者の秘書として働く多忙な日々。
不規則な生活は気になっていたが、毎年の健康診断では何も問題ない。
だから安心していた。
たまたまこの夏、親友の母親が大腸がんを患ったと聞いた。
大腸内視鏡検査で がんが見つかったのだという。
「うちのお母さんは、毎日3食きちんと食べて規則正しい生活をしていたけど、大腸がんになったのよ。だから、不健康な生活の美和は気を付けた方が良いよ」
そういう友人に、彼女はこう返す。
「大丈夫。私は健康診断で問題ないと言われているから…」
本当に心配はしていなかった。
でも、毎日疲れている。何とも嫌な感じがする疲れだ。
だから消化器専門のクリニックで、一応 大腸内視鏡検査を受けることに決めた。
あの日 看護師の指示に従い医療用ガウンに着替え、検査ベッドに横たわった。
そして始まった内視鏡検査。
モニターに映し出された自分の大腸の画像に衝撃を受ける。
「きれいなピンク色じゃない。汚い色だ…。しかも ぐちゃぐちゃに腫れている」
医療の素人の自分でも“大変なこと”が起きているとわかった。
この記事の著者
大久保 淳一(5yearsプロフィール)
日本最大級のがん患者支援団体 NPO法人5years理事長、本サイト(ミリオンズライフ)の編集人。
2007年、最終ステージの精巣がんを発病。生存率20%といわれる中、奇跡的に一命をとりとめ社会に復帰。自身の経験から当時欲しかった仕組みをつくりたいとして、2014年に退職し、2015年よりがん経験者・家族のためのコミュニティサイト5years.orgを運営。2016年より本サイトを運営。
現在はNPO法人5years理事長としてがん患者、がん患者家族支援の活動の他、執筆、講演業、複数企業での非常勤顧問・監査役、出身である長野県茅野市の「縄文ふるさと大使」として活動中。
>>新聞、雑誌、TV等での掲載についてはパブリシティを参照ください。
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