悪性リンパ腫 ステージ1A サバイバー 小林円香さんのストーリーです。
このストーリーの目次
- 【ストーリー】小林円香さん 悪性リンパ腫 ステージ1サバイバー
- 第1話「左眼の充血と目やに」
- 第2話「左眼の下の頬あたりにしびれ」
- 第3話「腫瘍の可能性」
- 第4話「生検の手術」
- 第5話「悪性リンパ腫の可能性」
- 第6話「B細胞性リンパ腫の診断」
- 第7話「卵巣の凍結保存」
- 第8話「入院準備」
- 第9話「びまん性大細胞型B細胞リンパ腫」
- 第10話「封じ込めていた不安」
- 第11話「見えない未来ときつい副作用」
- 第12話「過呼吸症候群で苦しんだ毎日」
- 第13話「寛解・復職」
- 第14話「幸せな日常を取り戻して」
第3話「腫瘍の可能性」
保育園の栄養士として忙しい毎日を送っていた東京都在住の小林円香(まどか)さん(28歳、2014年当時25歳)は、左眼の充血と目やにで悩んでいた。9月には左眼の下がしびれ出し都内の大学病院で診てもらった。
2014年10月2日、さっそくCT画像検査を受けるためにレントゲン室に移動した。
長椅子に座り待っていると小林さんを呼ぶ声が聞こえた。
検査室に入ると白い細長いベッドとトンネルのようなドームを繋いだ装置がある。
CT画像検査装置だ。
検査技師の指示に従いベッドの上に横たわると電動式でスライドして頭がドームの中に入った。
機械に録音されたアナウンスが流れる「息を吸って、止めてください」
やがてドームの中で放射装置が回る音がしてベッドがゆっくりスライドした。
痛くも何ともない検査だった。
その後、神経内科の外来に戻り担当医から説明を受けた。
「CTの画像をみると鼻の左側に影が見えます。腫瘍の影かもしれないし、骨破壊の痕かもしれないです。いずれにせよここからは耳鼻科の担当になりますのでそちらに行ってください」
腫瘍の可能性…?この言葉にはあまり反応せず「とりあえず、耳鼻科に行けばいいんだ」そう思った。
この日はここまでで帰宅した。
小林さんの家族には病気がちな人が多かった。
でも円香(まどか)さん自身は大病をしたことが無かったので自分の健康のことを心配したことがない。
しかもまだ25歳と若い。
病気を心配する年齢ではないと思っていた。
翌日10月3日、大学病院の耳鼻科に行く。
医師は細長い管の内視鏡を鼻の中に入れモニター画面を観てこう言う。
「鼻のなかの見える範囲はきれいですよ。だけど何となく怪しいからMRIを撮りましょう」
この病院ではMRI検査を外注していた。
小林さんは病院をでて電車に乗り外注先の病院まで行き、検査専門の病院でMRI画像検査を受けた。
結果は3日後に大学病院で報告される。
2週間前は単なる眼の充血だったのに…、そんな想いだった。
次のページを読む >> 第4話「生検の手術」この記事の著者
大久保 淳一(5yearsプロフィール)
日本最大級のがん患者支援団体 NPO法人5years理事長、本サイト(ミリオンズライフ)の編集人。
2007年、最終ステージの精巣がんを発病。生存率20%といわれる中、奇跡的に一命をとりとめ社会に復帰。自身の経験から当時欲しかった仕組みをつくりたいとして、2014年に退職し、2015年よりがん経験者・家族のためのコミュニティサイト5years.orgを運営。2016年より本サイトを運営。
現在はNPO法人5years理事長としてがん患者、がん患者家族支援の活動の他、執筆、講演業、複数企業での非常勤顧問・監査役、出身である長野県茅野市の「縄文ふるさと大使」として活動中。
>>新聞、雑誌、TV等での掲載についてはパブリシティを参照ください。
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