肝臓がん ステージ3、悪性リンパ腫 サバイバー 石川廣司さんのストーリーです。
このストーリーの目次
- 【ストーリー】石川廣司さん 肝臓がん、悪性リンパ腫 サバイバー
- 第1話「肝臓がんの疑い」
- 第2話「C型肝炎の治療」
- 第3話「肝臓がん ステージ3」
- 第4話「肝細胞癌切除術」
- 第5話「悪性リンパ腫。抗がん剤治療の開始」
- 第6話「肝臓がんの再発」
- 第7話「入院・ラジオ波焼灼術」
- 第8話「続く再発」
- 第9話「繰り返す治療」
- 第10話「禍福は糾える縄の如し」
第2話「C型肝炎の治療」
48歳の時にC型肝炎を発症し、その後定期的に病院で診てもらっていた東京都板橋区在住の石川廣司さん(71歳、2006年当時60歳)は、2006年10月、検査で肝臓がんの疑いを告げられた。
「肝臓がんの疑い」
つらかった。
会社では石川さんの定年退職日を前に連日のように送別会が行われていたからだ。
みんなが自分のためにひらいてくれるお祝い会。
でも、石川さんは見える風景すべてが「これが最後なんだろうな」そんなことを想い、心は沈んだままだった。
でも、まだ10%の可能性があるし、余計な心配をさせたくない、だから、妻には知らせなかった。
誰にも言えず、一人でかかえて、辛い毎日を送っていた。
あの日以来、酒とたばこをやめている。
1週間後、CT画像検査の結果を聞きに、日本大学医学部附属板橋病院・肝臓内科を再び訪れた。
この日は、助教授の50代の男性医師が対応した。
そして、CT画像検査をみた彼がこう漏らす。
「あれっ、これ、半々かもしれないですよ」
つまり肝臓がんではないかもしれないと言い出し、次にMRI画像検査が予定された。
MRI撮影も終え、再び30代の若い男性医師の診察を受けた所、こう言われる。
「すみませんでした。MRIの結果、良性腫瘍でした」
ホッとした。誤診に怒りがわくというよりも、ただ、ホッとして安心した。
今後はC型肝炎の治療をしっかりやりましょうということになった。
石川さんが受ける治療は2つ。
まず、血液中のフェリチン値を下げるために「ウルソ錠」の服用。
そして、「瀉血(しゃけつ)」、肝臓にある貯蔵血液量を減らすための治療法だ。
瀉血は、2007年12月から4週間に1回、合計8回行うという。
肝臓がんの疑いが晴れた時、妻にそれまでのことを報告した。
晴れてがんではない60歳を迎えた石川さんは、自由な1年を過ごす。
映画を鑑賞し、旅行を楽しみ、パソコン教室にも通った。
その後、タイの出版社の営業代行を任され、週に3日、楽しみながら仕事をしていた。
C型肝炎の治療は、その効果が現れ、血液中のデータ(AST、ALT、γ-GTP、フェリチン、HCV-RNA)は改善していく。
この記事の著者
大久保 淳一(5yearsプロフィール)
日本最大級のがん患者支援団体 NPO法人5years理事長、本サイト(ミリオンズライフ)の編集人。
2007年、最終ステージの精巣がんを発病。生存率20%といわれる中、奇跡的に一命をとりとめ社会に復帰。自身の経験から当時欲しかった仕組みをつくりたいとして、2014年に退職し、2015年よりがん経験者・家族のためのコミュニティサイト5years.orgを運営。2016年より本サイトを運営。
現在はNPO法人5years理事長としてがん患者、がん患者家族支援の活動の他、執筆、講演業、複数企業での非常勤顧問・監査役、出身である長野県茅野市の「縄文ふるさと大使」として活動中。
>>新聞、雑誌、TV等での掲載についてはパブリシティを参照ください。
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