肝臓がん ステージ3、悪性リンパ腫 サバイバー 石川廣司さんのストーリーです。
このストーリーの目次
- 【ストーリー】石川廣司さん 肝臓がん、悪性リンパ腫 サバイバー
- 第1話「肝臓がんの疑い」
- 第2話「C型肝炎の治療」
- 第3話「肝臓がん ステージ3」
- 第4話「肝細胞癌切除術」
- 第5話「悪性リンパ腫。抗がん剤治療の開始」
- 第6話「肝臓がんの再発」
- 第7話「入院・ラジオ波焼灼術」
- 第8話「続く再発」
- 第9話「繰り返す治療」
- 第10話「禍福は糾える縄の如し」
第10話「禍福は糾える縄の如し」
2010年、肝臓がん(ステージ3)を告げられ、12時間にわたる肝細胞癌切除術を受けた東京都板橋区在住の石川廣司さん(71歳、2017年71歳)は、その後、悪性リンパ腫(濾胞(ろほう)性 B細胞非ホジキンリンパ腫)を告げられ、抗がん剤(リツキサン)治療を終えた。しかし、2013年、肝臓がんを再発、2015年に悪性リンパ腫の再発により、抗がん剤(リツキサン、ベンタムスチン)治療を受けた。しかし、その後も肝臓がんと悪性リンパ腫の再発を繰り返しながらも、結局8年を生き抜いている。
2018年4月23日、順天堂大学医学部附属練馬病院での経過観察。
造影剤を使ったCT画像検査の結果、肝臓にがんの影が映っていると言われた。
これで、計6回目の肝臓がんの再発になる。
ただ、石川さんに悲壮感はない。
「まだ(がんが)小さいので、もう少し大きくなってから治療しようとお医者さんに言われているんですよ」
先日、知人に「また、がんが出来ちゃったよ」と明かしたら、「なんで、そんな大変なんことを明るく話せるんですか?」と驚かれた。
別にがんが再発して嬉しい訳がないのだが「また治療です」と照れ笑いして明かしたら、知人からそのひょうひょうと話すそぶりにビックリされたのだ。
先日、新聞記者に取材された時も同じように驚かれた。
肝臓がん6回、悪性リンパ腫3回という事実を事前に聞いていた記者は、さぞかし元気がなく、痩せこけているのだろうと想像して会ったのだという。
「大変なこと続きなのに、なぜ、そんなにお元気そうなんでしょうか…?」
そう驚いていたという。
恐らく知人も記者も最高の誉め言葉を言っているのだろう。
石川さんの好きな言葉に「禍福は糾える縄の如し」がある。
つまり、がん再発という厳しい現実がやってきても、「ならば、次は、何かいいことがやって来るんじゃないか」そんな心境で受け流すのだという。
本当にすごいと思う。
誰しも人生には限りがある。
だから、それまでの時間を楽しめばよいと思っている。
がんになってから感受性が強くなったという。
見るもの、聴くもの、感動が大きいし、旅行に行くと心から楽しいと思える。
今年(2018年)4月6日に開催された倍賞千恵子さんのコンサートに夫婦二人で行ったが、とても楽しめた。
8月に開催されるブロードウェイミュージカル「コーラスライン」のS席チケットを既に購入していて、これも楽しみなのだという。
いま、71歳。
「生は一度、限りなくそれを慈しみ享受せよ」
その言葉を胸に刻み、でき得る限り実践していく石川廣司さんだ。
この記事の著者
大久保 淳一(5yearsプロフィール)
日本最大級のがん患者支援団体 NPO法人5years理事長、本サイト(ミリオンズライフ)の編集人。
2007年、最終ステージの精巣がんを発病。生存率20%といわれる中、奇跡的に一命をとりとめ社会に復帰。自身の経験から当時欲しかった仕組みをつくりたいとして、2014年に退職し、2015年よりがん経験者・家族のためのコミュニティサイト5years.orgを運営。2016年より本サイトを運営。
現在はNPO法人5years理事長としてがん患者、がん患者家族支援の活動の他、執筆、講演業、複数企業での非常勤顧問・監査役、出身である長野県茅野市の「縄文ふるさと大使」として活動中。
>>新聞、雑誌、TV等での掲載についてはパブリシティを参照ください。
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