びまん性大細胞型B細胞悪性リンパ腫 ステージ2 サバイバー 野崎美穂さんのストーリーです。
このストーリーの目次
- 【ストーリー】野崎美穂さん 悪性リンパ腫 ステージ2 サバイバー
- 第1話「ビジネスの場で活躍したくて」
- 第2話「精神疾患の兆候」
- 第3話「体調の変化」
- 第4話「左腕の異変」
- 第5話「リンパ腫の可能性」
- 第6話「胸の縦隔に腫瘍」
- 第7話「悪性リンパ腫の確定診断」
- 第8話「がんセンター中央病院・血液腫瘍科へ」
- 第9話「抗がん剤治療(R-CODOX-M/R-IVAC療法)」
- 第10話「抗がん剤の副作用」
- 第11話「続く抗がん剤治療」
- 第12話「治療終了。寛解~復職へ」
- 第13話「再び活躍の場へ」
第5話「リンパ腫の可能性」
酒類販売の一次卸大手の会社の営業部門で女性管理職に抜擢された東京都練馬区在住の野崎美穂さん(43歳、2015年当時40歳)は、強烈なストレスのもと働いていたが、やがて、食事が喉を通りにくい、階段を登れないなど、体調の変化が出てきた。そして、左腕が異常なまでに腫れあがっていた。
この夜、一緒に食事をしながら写真を撮っていた友人が言った。
「確かに(左腕だけが腫れあがっているね)。病院で診てもらった方が良いよ」
顔もむくんでいたし、手のひらにブツブツした発疹が出ていた。
夫にそのことを話すと、「手の水虫かもしれないから、病院で診てもらった方が良いよ」と同じことを言う。
2015年9月20日、シルバーウィーク中のこと。
休日中に開院していた新桜台にある内科クリニックを受診した。
40代後半の恰幅の良い男性医師が診察する。
手の発疹を診て「原因は解らないですね」と言い、腫れあがった左腕についても「そう言えば太いね」と何とものらりくらりした対応だ。
不安な野崎さんは、最近、首の左側が腫れぼったくて鎖骨のくぼみが見えなくなってきたこともその医師に伝える。
すると…。
医師の顔色が急に変わる。
そして触診し、こう言う。
「これは、リンパ腫の可能性がありますから、CT画像検査ができる大きな病院に行った方がいいです」
リンパ腫…。
血液がんの一種だと知っていた。
“そんな重大な病気の可能性を、ただ首を触っただけで言わないでよ!うそでしょ”そんな気持ちだ。
「連休中ですが、時間を空けず、すぐに大きな病院で診てもらった方がいいです」
野崎さんは、このクリニックの医師の判断については半信半疑だった。
翌日、シルバーウィークを利用して千葉県の実家に帰省。
父親、母親、野崎さんの3人水入らずで食事をしていた時、母親が驚く。
「なに、その左腕?!腫れているし、色も違うじゃない」
何かと心配性の親なので、病院で診てもらってから話そうと思っていたが見つかってしまった。
来週、大きな病院でCT検査を受けるつもりだと返した。
この記事の著者
大久保 淳一(5yearsプロフィール)
日本最大級のがん患者支援団体 NPO法人5years理事長、本サイト(ミリオンズライフ)の編集人。
2007年、最終ステージの精巣がんを発病。生存率20%といわれる中、奇跡的に一命をとりとめ社会に復帰。自身の経験から当時欲しかった仕組みをつくりたいとして、2014年に退職し、2015年よりがん経験者・家族のためのコミュニティサイト5years.orgを運営。2016年より本サイトを運営。
現在はNPO法人5years理事長としてがん患者、がん患者家族支援の活動の他、執筆、講演業、複数企業での非常勤顧問・監査役、出身である長野県茅野市の「縄文ふるさと大使」として活動中。
>>新聞、雑誌、TV等での掲載についてはパブリシティを参照ください。
>>NPO法人5yearsの組織概要はこちら
-Sponsored-