乳がんステージ2(ルミナルA) サバイバー 阿部久美子さんのストーリーです。
このストーリーの目次
- 【ストーリー】阿部久美子さん 乳がんステージ2(ルミナルA) サバイバー
- 第1話「生命保険会社への転職」
- 第2話「乳がん検診と子宮がん検診」
- 第3話「本当に自分のやりたい仕事」
- 第4話「右の乳房の上にしこり」
- 第5話「良性か、悪性かは半々の確率」
- 第6話「メスを入れたくない」
- 第7話「民間療法を試す」
- 第8話「生検」
- 第9話「乳腺悪性腫瘍手術と乳房再建手術」
- 第10話「手術」
- 第11話「ホルモン療法と遊離皮弁術(乳房再建術)」
- 第12話「自宅療養と仕事の開始」
- 第13話「3回の『ゼロからスタート』」
第1話「生命保険会社への転職」
「あの時の電話は久美子のことだったの…。ごめんね、気が付かなくて…。(がんは)私が代わってあげたいよ…」
母親にそう言われ一緒に泣いた。
1ヶ月前に母親に電話で相談したとき、自分じゃなくて知人のがんのことのように言ってしまった。
それを後悔した。
長年、パソコンのインストラクターの仕事をしていた神奈川県大和市在住の阿部久美子さん(44歳、2006年当時33歳)は、2006年に一念発起して生命保険会社に転職。
インストラクターは十分やり切ったと言う想いと、今後のことを考えてキャリアのジャンプを試みた。
生命保険会社で担当した仕事はFP(ファイナンシャル・プランナー)部門でのコンサルティング。
保険商品とともにお客様の資産形成の相談・アドバイスをする仕事だ。
金融分野は未経験だったが、研修期間にしっかりと勉強して知識を増やしていった。
会社の理念「お客様の夢の実現」というフレーズに共感し、とてもやりがいを感じた。
ただ、後でわかったのだが…、
正社員としての雇用ではなく個人事業主としてだった。
生命保険会社の業界では一般的な雇用形態だが、何も知らない阿部さんは入社してからその仕組みを理解する。
生保の個人事業主。
営業成績に比例して成果報酬が出る。
つまり、頑張って結果が出るとその分が報われるが、そうでないと肩を叩かれる実力主義の世界。
毎日が勉強で、努力と実力が試される。
だから、一生懸命に仕事を頑張った。
その甲斐があり、やがて成績が上がってきて、この世界でやっていけるようになる。
入社して3年が経った2009年・秋、36歳になっていた。
例年の会社の健康診断に加えて、オプションで乳がん検診と子宮がん検診を受けた。
35歳になった時から、会社では生活習慣病の健診をするよう毎月のようにメールがくる。
だから、年に一度の健診でちょうど36歳になったので、年齢の節目を意識して受診した。
この記事の著者
大久保 淳一(5yearsプロフィール)
日本最大級のがん患者支援団体 NPO法人5years理事長、本サイト(ミリオンズライフ)の編集人。
2007年、最終ステージの精巣がんを発病。生存率20%といわれる中、奇跡的に一命をとりとめ社会に復帰。自身の経験から当時欲しかった仕組みをつくりたいとして、2014年に退職し、2015年よりがん経験者・家族のためのコミュニティサイト5years.orgを運営。2016年より本サイトを運営。
現在はNPO法人5years理事長としてがん患者、がん患者家族支援の活動の他、執筆、講演業、複数企業での非常勤顧問・監査役、出身である長野県茅野市の「縄文ふるさと大使」として活動中。
>>新聞、雑誌、TV等での掲載についてはパブリシティを参照ください。
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