卵巣がん(漿液性)ステージ3cサバイバー大塚さんのがんに関するストーリーです。
このストーリーの目次
- 【ストーリー】大塚美絵子さん 卵巣がん(漿液性)ステージ3cサバイバー
- 第1話「残念ながら、来年は無いかもしれません」
- 第2話「妊婦のように腫れあがったお腹」
- 第3話「卵巣がんに間違いないと思います」
- 第4話「エンディング・ノートで芽生える力強い気持ち」
- 第5話「順調に進む治療と経済支援制度の穴」
- 第6話「手術と抗がん剤治療」
- 第7話「再発への不安」
- 第8話「社会参加のためのビジネス立ち上げへ」
第1話「残念ながら、来年は無いかもしれません」
「残念ながら、来年(という時間)は無いかもしれません…」
前の病院の内科医がそう言っていたと友人から知らされた。
「大丈夫。でも、(私は)きっと大丈夫」
根拠のない自信だけはあった。
埼玉県さいたま市に住む大塚美絵子さん(55歳、2012年当時51歳)は、4年前の2012年、徐々にお腹の周りが太り出した。
洋服は7号から9号にサイズアップ。
しかも、何とも言えぬ倦怠感があり体調も良くない。
夜中に寝ていると大量の汗をかく。
「きっと更年期が始まったんだろう」
そんな程度にとらえ特別なにも心配はしていなかった。
このころ監査法人で働いていた大塚さんの最大の悩みは仕事上のことで健康ではない。
会社を退職することを検討していたくらいだ。
多分体調がよくないのは更年期と仕事上のストレスからなんだろう…。
そんな風に考えてお腹まわりのことは気に留めず放っておいた。
しかし6月に入り、様子が明らかにおかしくなる。
胴囲が毎日、毎日、確実に大きくなっていくのだ。
そろそろ病院に行って診てもらおうかと考えだしたころだった。
実家に帰ると大塚さんのお腹を見て驚いた母親が言う。
「今すぐ(近所の)クリニックに行って診てもらってきなさい!」
まるで妊婦のようなお腹になってきていた。
しかし何か痛みが伴うわけでもない。
だから、まさか命にかかわるような病気が進行しているとは思いもしなかった。
クリニックの診察室に入ると医師の顔色が変わった。
その瞬間、ぞっとしてあることを思い出した。
「がんかもしれない…。そうだ私は被ばく2世だった」
次のページを読む >> 第2話「妊婦のように腫れあがったお腹」この記事の著者
大久保 淳一(5yearsプロフィール)
日本最大級のがん患者支援団体 NPO法人5years理事長、本サイト(ミリオンズライフ)の編集人。
2007年、最終ステージの精巣がんを発病。生存率20%といわれる中、奇跡的に一命をとりとめ社会に復帰。自身の経験から当時欲しかった仕組みをつくりたいとして、2014年に退職し、2015年よりがん経験者・家族のためのコミュニティサイト5years.orgを運営。2016年より本サイトを運営。
現在はNPO法人5years理事長としてがん患者、がん患者家族支援の活動の他、執筆、講演業、複数企業での非常勤顧問・監査役、出身である長野県茅野市の「縄文ふるさと大使」として活動中。
>>新聞、雑誌、TV等での掲載についてはパブリシティを参照ください。
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