【ストーリー】安谷恵美子さん 大腸がん(直腸がん) ステージ4

大腸がん(直腸がん) ステージ4 サバイバー 安谷さんのストーリーです。

このストーリーの目次

  1. 【ストーリー】安谷恵美子さん 大腸がん(直腸がん) ステージ4
  2. 第1話「神経性腸炎か過敏性腸炎?」
  3. 第2話「改善されないお腹の痛み」
  4. 第3話「腸閉塞での人工肛門。直腸がんと肝臓への転移」
  5. 第4話「CVポートでの抗がん剤治療(FOLFIRI療法)」
  6. 第5話「2度目の手術。腹腔鏡での直腸切除、転移のある肝臓切除。」
  7. 第6話「後半6クールの抗がん剤治療。家庭への不安。」
  8. 第7話「順調ではない経過」
  9. 第8話「続く頻繁な下痢(げり)」
  10. 第9話「再発した大腸がん」
  11. 第10話「かわり始めた家族のかたち」

第8話「続く頻繁な下痢(げり)」

直腸にできた腫瘍が原因で手術と抗がん剤治療を繰り返した熊本県熊本市在住の安谷恵美子さん(51歳、2016年当時51歳)は、2014年11月にすべての治療を終えた。2016年2月に悲願の熊本城マラソンに復帰を果たしたが、それから2ヶ月後に震災にあった。

熊本地震。水も、電気も、ガスもない生活に変わった。
余震が続くので自動車の中で夜を明かす日々が続いた。
数日後には母親が骨折で入院することになり父親の世話をするために実家に帰る。
すべてが慌ただしい毎日だった。

それからしばらくして安谷さんはご主人の仕事を手伝うことになる。
ご主人は家の内装を手掛ける自営業をしていたが、震災後に自治体が仮設住宅を作るプロジェクトを始めたため家業が大忙しになり安谷さんもそれを手伝うことになった。

この年の8月、夏の暑い日に建築中の仮設住宅をはじから回り内装工事の仕事を手伝っていた時のこと。
安谷さんは頻繁に下痢(げり)をした。

そんな日が続いたため心配になり病院で診てもらう。
CT画像検査、血液検査が行われたががんの再発は認められないとして胸をなでおろす。

2016年10月
大便の中に血が混じっていた。
お腹の調子も何となくおかしいなと感じていたのですぐさま病院に行き胃と大腸の内視鏡検査を受けた。
胃のほうは問題ない。
しかし大腸はというと2年前に直腸を切りとり接合した箇所から出血があると言われる。
医師はその組織を取って病理検査に回した。
同じころPET検査も行い2つの検査結果を待つことになる。
そしてその報告を受ける日。

「残念ながら、検査の結果、採取した組織は悪性でした。がんが再発しています。手術をしましょう」

その言葉に強い衝撃を受けた。
再発リスクが高いとは知ってはいたが重い事実だった。

それから間もなくして入院前の検査を受けに病院に行った時だ。
急に具合が悪くなる。腕が痙攣(けいれん)をおこし止まらない。
慌てた病院は入院を指示し、結局、再発の治療入院の前に4日ほど入院することになった。

「私の身体は一体、どうなっているんだろう…」

不安と心配は尽きなかった。

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この記事の著者

(5yearsプロフィール)

日本最大級のがん患者支援団体 NPO法人5years理事長、本サイト(ミリオンズライフ)の編集人。
2007年、最終ステージの精巣がんを発病。生存率20%といわれる中、奇跡的に一命をとりとめ社会に復帰。自身の経験から当時欲しかった仕組みをつくりたいとして、2014年に退職し、2015年よりがん経験者・家族のためのコミュニティサイト5years.orgを運営。2016年より本サイトを運営。
現在はNPO法人5years理事長としてがん患者、がん患者家族支援の活動の他、執筆、講演業、複数企業での非常勤顧問・監査役、出身である長野県茅野市の「縄文ふるさと大使」として活動中。
>>新聞、雑誌、TV等での掲載についてはパブリシティを参照ください。
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