大腸がん(直腸がん) ステージ4 サバイバー 安谷さんのストーリーです。
このストーリーの目次
- 【ストーリー】安谷恵美子さん 大腸がん(直腸がん) ステージ4
- 第1話「神経性腸炎か過敏性腸炎?」
- 第2話「改善されないお腹の痛み」
- 第3話「腸閉塞での人工肛門。直腸がんと肝臓への転移」
- 第4話「CVポートでの抗がん剤治療(FOLFIRI療法)」
- 第5話「2度目の手術。腹腔鏡での直腸切除、転移のある肝臓切除。」
- 第6話「後半6クールの抗がん剤治療。家庭への不安。」
- 第7話「順調ではない経過」
- 第8話「続く頻繁な下痢(げり)」
- 第9話「再発した大腸がん」
- 第10話「かわり始めた家族のかたち」
第5話「2度目の手術。腹腔鏡での直腸切除、転移のある肝臓切除。」
直腸にできた腫瘍が大きくなり腸の内壁をふさいでしまったため腸閉塞となり人工肛門を設置する手術を受けた熊本県熊本市在住の安谷恵美子さん(51歳、2014年当時49歳)は、その後抗がん剤治療(FOLFIRI)を受けていたが、3クール目にアバスチン薬を使用したら身体に合わず緊急で2度目の入院をした。
2014年5月、安谷さんは通院で残りの3クール分の抗がん剤治療(FOLFIRI療法)を受けていたが、この頃は生活が落ち着いていた。
仕事はしていない。
時間がたくさんある。
治療中の身なのでこれまでしていた両親の身の回りの世話をしなくなり自分の事だけを考えていればよくなった。
好きな本を読む時間が取れるようになった。
ただし変に病人扱いされるのは嫌だった。
だから仲間が集まる熊本城二ノ丸公園のランニング教室に顔をだした。
みんな安谷さんはその後どうしているのかと心配していたので、意外と元気そうな感じで安心する。
そしてこう言った。
「(安谷さんが)戻ってくるのを待っているけん。元気になってまた一緒に走ろう」
この言葉がその後の安谷さんの闘病生活を支える強いモチベーションになる。
6クールの抗がん剤治療を終えた2014年8月、担当の医師から言われた。
「CT画像検査で肝臓にあるがんが少し小さくなっています。予定通り手術を行いましょう」
正直、「えっ、休みを入れずもう手術するんですか?」と意外に感じた。
抗がん剤治療を終えたばかりだったからだ。
そして行われた2度目の手術。
1つは腹腔鏡を使って腫瘍がある直腸を切除する手術だった。続いてがん転移がある肝臓を18cm切除するお腹を切開して行う手術。
都合7時間もかかった。しかしこの時は、人工肛門をもとに戻す手術は行わなかった。
手術はすべて無事に終わった。
そして今後は再発を予防するための抗がん剤治療を追加で6クール行うということだった。
「まだあと6回か…。早くすべてを終わらせたい。そのためにも体調を戻していかないと」
気持ちは前を向いていた。
この記事の著者
大久保 淳一(5yearsプロフィール)
日本最大級のがん患者支援団体 NPO法人5years理事長、本サイト(ミリオンズライフ)の編集人。
2007年、最終ステージの精巣がんを発病。生存率20%といわれる中、奇跡的に一命をとりとめ社会に復帰。自身の経験から当時欲しかった仕組みをつくりたいとして、2014年に退職し、2015年よりがん経験者・家族のためのコミュニティサイト5years.orgを運営。2016年より本サイトを運営。
現在はNPO法人5years理事長としてがん患者、がん患者家族支援の活動の他、執筆、講演業、複数企業での非常勤顧問・監査役、出身である長野県茅野市の「縄文ふるさと大使」として活動中。
>>新聞、雑誌、TV等での掲載についてはパブリシティを参照ください。
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