【ストーリー】安谷恵美子さん 大腸がん(直腸がん) ステージ4

大腸がん(直腸がん) ステージ4 サバイバー 安谷さんのストーリーです。

このストーリーの目次

  1. 【ストーリー】安谷恵美子さん 大腸がん(直腸がん) ステージ4
  2. 第1話「神経性腸炎か過敏性腸炎?」
  3. 第2話「改善されないお腹の痛み」
  4. 第3話「腸閉塞での人工肛門。直腸がんと肝臓への転移」
  5. 第4話「CVポートでの抗がん剤治療(FOLFIRI療法)」
  6. 第5話「2度目の手術。腹腔鏡での直腸切除、転移のある肝臓切除。」
  7. 第6話「後半6クールの抗がん剤治療。家庭への不安。」
  8. 第7話「順調ではない経過」
  9. 第8話「続く頻繁な下痢(げり)」
  10. 第9話「再発した大腸がん」
  11. 第10話「かわり始めた家族のかたち」

第9話「再発した大腸がん」

直腸がんの手術のあと6クールの抗がん剤治療を終え、仕事とマラソンに復帰した熊本県熊本市在住の安谷恵美子さん(51歳、2016年当時51歳)は、2016年4月に熊本地震で震災にあう。その年の夏から体調を崩し11月に大腸がんの再発を告げられた。

2016年11月18日、安谷さんは6回目の入院となり、それから3日後に4回目の手術が行われた。
大掛かりな手術だった。
なぜなら“がん転移”により、怪しい部位も含め色々な臓器を切除したからだ。

直腸と肛門を接合した部位、子宮、膣の一部、
この結果、永久的な人工肛門となる。

「生き続けるためには仕方がない」という気持ちと「まるで女性ではなくなったみたいだ」という性的尊厳を揺さぶられる衝撃。

簡単には心の整理ができなかった。

この先どうなるのか…。
安谷さんは色んなことを考えた。

「家族」、「病気」、「夫婦生活」、

守ろうとすると何かを手放さなくてはならない自分の闘病生活。
女性として生まれてきたけれど、それを手放さなくてはならないのか…
複雑でなんとも寂しい感じがした。

「でも私はラッキーだと思う。発症年齢が遅かったから子供が二人もいる。しかも二人はもう成人になっているんだから」

つらさのなかにも幸せな事実を見出す。

命の尊さに比べたら身体の不自由なんて言ってはいられない。
そんな風に心を整理しだしていた。

一方、安谷さんには退院するまでにもうひとつ不確定要素があった。
“排尿障害”の可能性だ。その言葉を主治医から聞かされた時はさすがに涙がこぼれた。

大便だけでなく、小便までも自己管理しなくてはならないのか…?
そして退院までに自己導尿の練習をするように言われている。

熊本地震、がん再発転移、色んなことがあった2016年。

でも、一日一日を乗り越えていかなくてはならない。
そんな強い思いだった。

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この記事の著者

(5yearsプロフィール)

日本最大級のがん患者支援団体 NPO法人5years理事長、本サイト(ミリオンズライフ)の編集人。
2007年、最終ステージの精巣がんを発病。生存率20%といわれる中、奇跡的に一命をとりとめ社会に復帰。自身の経験から当時欲しかった仕組みをつくりたいとして、2014年に退職し、2015年よりがん経験者・家族のためのコミュニティサイト5years.orgを運営。2016年より本サイトを運営。
現在はNPO法人5years理事長としてがん患者、がん患者家族支援の活動の他、執筆、講演業、複数企業での非常勤顧問・監査役、出身である長野県茅野市の「縄文ふるさと大使」として活動中。
>>新聞、雑誌、TV等での掲載についてはパブリシティを参照ください。
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