胃がん ステージ1b サバイバー 吉田さんのがんに関するストーリーです。
このストーリーの目次
- 【ストーリー】吉田洋一さん 胃がん ステージ1b
- 第1話「悪性腫瘍の告知と胃の全摘の可能性。」
- 第2話「しめつけられるような心臓の痛み」
- 第3話「胃潰瘍の痕と内視鏡検査」
- 第4話「病理検査の結果。がん告知」
- 第5話「治療のことで悩むなんてしたくない」
- 第6話「ひとつひとつ取り戻す生活へ」
- 第7話「小さなことの積み重ね」
- 第8話「過酷なレースへの挑戦」
第1話「悪性腫瘍の告知と胃の全摘の可能性。」
「悪性です。手術が必要になります。場合によっては胃の全摘(ぜんてき)もありえます」
(あっ、そう)だったらさっさと手術して1日も早く元の生活に戻してやる。
最初から最後まで強気だった。
2009年1月、しめつけられるような心臓の痛みを感じた北海道江別市在住の吉田洋一さん(58歳、2009年当時50歳)は、少し不安に感じた。
ここしばらく微熱も続いている。
吉田さんはランニングが趣味でほぼ毎日のように走っている。
週に1回スピードを上げて追い込むように走る本格的なトレーニングを行い週末には20~30kmも走るロング走をしていた。
だから健康には自信があった。
しかし時々起こる心臓の痛みは50年間生きてきてまったく感じたことのない痛みだった。
「なんだろう…。マラソン選手がよくなる心臓肥大かな?」
気になったので1月の下旬に近所の内科クリニック病院で診てもらうことにした。
クリニックでは血液検査、聴診器を当てての心臓の聴診が行われた。
「大丈夫だと思うけどね」
医師のことばに安心する一方、「じゃあ、この痛みはなんなんだ?」となる。
自らお願いして24時間の心電図を簡易的に測定できるポータブルな医療機器を借りた。
胸囲をメジャーで測定するように体幹を一周させて心臓のあたりにマッチ箱の大きさくらいの測定器を固定させる機器だ。
電子音も出ないし、振動もない。
寝ている時もそれを身に着けておく。
丸一日測定し内科クリニックに渡すと専門の医療機関に送られた。
そして1週間後に聞いた結論は、「多少の不整脈はあるけれど心臓には問題なし」ということだった。
熱もしばらくして平熱に戻りすべて人騒がせな話だった。
この記事の著者
大久保 淳一(5yearsプロフィール)
日本最大級のがん患者支援団体 NPO法人5years理事長、本サイト(ミリオンズライフ)の編集人。
2007年、最終ステージの精巣がんを発病。生存率20%といわれる中、奇跡的に一命をとりとめ社会に復帰。自身の経験から当時欲しかった仕組みをつくりたいとして、2014年に退職し、2015年よりがん経験者・家族のためのコミュニティサイト5years.orgを運営。2016年より本サイトを運営。
現在はNPO法人5years理事長としてがん患者、がん患者家族支援の活動の他、執筆、講演業、複数企業での非常勤顧問・監査役、出身である長野県茅野市の「縄文ふるさと大使」として活動中。
>>新聞、雑誌、TV等での掲載についてはパブリシティを参照ください。
>>NPO法人5yearsの組織概要はこちら
-Sponsored-