中咽頭がん ステージ4 サバイバー 本園泰さんのストーリーです。
このストーリーの目次
- 【ストーリー】本園泰さん 中咽頭がん ステージ4 サバイバー
- 第1話「口の奥に違和感」
- 第2話「舌根に腫瘍」
- 第3話「中咽頭がんの疑い」
- 第4話「ステージ4」
- 第5話「<a href="https://kyushu-cc.hosp.go.jp/" rel="noopener" target="_blank">九州がんセンター</a>への転院」
- 第6話「IMRT(放射線化学療法)」
- 第7話「限定的な治療効果」
- 第8話「11時間の手術」
- 第9話「がん治療の終了」
- 第10話「心から幸せをかみしめて」
第2話「舌根に腫瘍」
2015年11月福岡県福岡市在住の本園泰さん(60歳、2015年当時57歳)は、口の奥が時々チクッと痛み気にしていた。
年が明けて2016年1月22日、本園さんは例の耳鼻咽頭科クリニックを再び訪問。
口の奥の「チクッ」とする痛みは、まだ続いていた。
しかし、初老の男性医師は同じ診断をして口内炎の薬を処方する。
“これではダメだ”
そう感じた本園さんは、薬を飲まず2月8日に歯科医を訪れた。
もしかしたら親知らずが生えてきているかもしれないと思ったからだ。
歯科医でレントゲン撮影をして診てもらう。
「別にどうでもないですよ」
歯科医師からそう言われ、ここでも“やっぱり、そうか”そんな感じだった。
仕事はと言えば、本園さんは福岡市内でタクシー会社を経営している。
役員に家族・親族がいる温かみのある家族経営だ。
2016年2月13日、この日は午後に出張の予定が入っていた。
口の奥のことを気にしている本園さんを気遣い、従妹でもある専務の妻がこう言う。
「他の病院でも診てもらった方がいいですよ」
そう言われ納得し、午前中に別の耳鼻咽頭科病院を訪れた。
その病院では、30代の女性医師が担当。
シャキシャキとした医師で、鼻から内視鏡を入れて検査するという。
内視鏡から映し出される画像を、リアルタイムに患者も観て確認できる医療機器だった。
そして検査中、その医師からこう言われる。
「舌根(ぜっこん、ベロの付け根)に腫瘍があります」
ただし、悪性ではないだろうという見立て。
「やっぱりだ。これがチクチクと痛んだんだ」そう納得し、本園さんは精神的にすっきりした。
2週間分の薬が処方され、2週間後に再度その病院で診てもらうことになった。
そして迎えた2016年2月21日、2016北九州マラソンの日。
目標としていたフル4時間台のタイム(4時間58分)が出て、感動的なゴール。
これまでの練習が報われた日になった。
本園さんは、次のレース「さが桜マラソン(4月)」でも記録を狙いたいと楽しみが膨らんだ。
次のページを読む >> 第3話「中咽頭がんの疑い」この記事の著者
大久保 淳一(5yearsプロフィール)
日本最大級のがん患者支援団体 NPO法人5years理事長、本サイト(ミリオンズライフ)の編集人。
2007年、最終ステージの精巣がんを発病。生存率20%といわれる中、奇跡的に一命をとりとめ社会に復帰。自身の経験から当時欲しかった仕組みをつくりたいとして、2014年に退職し、2015年よりがん経験者・家族のためのコミュニティサイト5years.orgを運営。2016年より本サイトを運営。
現在はNPO法人5years理事長としてがん患者、がん患者家族支援の活動の他、執筆、講演業、複数企業での非常勤顧問・監査役、出身である長野県茅野市の「縄文ふるさと大使」として活動中。
>>新聞、雑誌、TV等での掲載についてはパブリシティを参照ください。
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