胃がん(腺がん、上皮内)ステージ1 サバイバー 中村玲子さんのストーリーです。
このストーリーの目次
- 【ストーリー】中村玲子さん 胃がん ステージ1 サバイバー
- 第1話「夫婦での起業と子育て」
- 第2話「全力で走っていた40代」
- 第3話「子育てと仕事と」
- 第4話「急な声のかすれ」
- 第5話「胃がん宣告」
- 第6話「草津総合病院へ」
- 第7話「腹腔鏡下手術(幽門側胃切除)」
- 第8話「ダンピング症状」
- 第9話「がんから2年が経って」
第8話「ダンピング症状」
2015年、草津総合病院で診察を受けた結果、胃がん(腺がん、上皮内、進行ステージ1)と診断された滋賀県在住の中村玲子さん(70歳、2015年当時68歳)は、2015年9月3日に腹腔鏡下手術(幽門側胃切除)を受けた。その後は、強烈なダンピング症状に悩んでいた。
なんとか頑張って食べるが、ダンピング症状により吐き出す毎日。
手術前に53kgあった体重はみるみる減り、13kg減の39kgまでにやせ細る。
そんな母親を子供たちが支える。
午前中から次女が孫と一緒に来て、洗濯をして身の回りのことを手伝ってくれる。
夕方、次女が帰る頃には、仕事を終えた長女が食べれそうなものを持ってきて夜まで付き添う。
夫は仕事の合間に見舞いに来て、産後間もない三女は、週末に病院にやってきた。
病室を個室(特別室)にしたため、まるで病室が、我が家のように一家団欒になっていた。
食事に対して、焦りを感じていた中村さんは、毎日食べたものを記録し、何がダメかをチェックしていた。
しかし、胃が重く感じたり、胸やけがしたりと、なかなか改善されない日々だった。
そんな母親に娘が声をかける。
「昨日よりも、ちょっと食べれたら、(それで)いいんとちがう?」
子供3人が成人するまでは、自分が子供たちを守っているという自負があった。
でも、いま、こうして…、子供たちが社会人になってからは、自分が子供たちに守られている感じがしてとても幸せだ。
ダンピングはつらいが、日が経つにつれて対処の仕方もわかりだし、少しずつなら食べられるようになってきた。
そして、10月に退院。
夫の運転する車で帰宅すると、夫が用意していたバラの花束とポインセチアの鉢植えがリビングにあった。
その優しさが嬉しかった。
退院してからも、ダンピング症状は続いたが、一日の中で、食べられるときに少量でも食べるようにして、小分けにして食べれば大丈夫になってくる。
無理することはない。
ゆっくり、少量でも食べればそれでいいのだから。
主治医も“好きなものを何回かに分けて、ゆっくり食べることが良い”そう言っていた。
この記事の著者
大久保 淳一(5yearsプロフィール)
日本最大級のがん患者支援団体 NPO法人5years理事長、本サイト(ミリオンズライフ)の編集人。
2007年、最終ステージの精巣がんを発病。生存率20%といわれる中、奇跡的に一命をとりとめ社会に復帰。自身の経験から当時欲しかった仕組みをつくりたいとして、2014年に退職し、2015年よりがん経験者・家族のためのコミュニティサイト5years.orgを運営。2016年より本サイトを運営。
現在はNPO法人5years理事長としてがん患者、がん患者家族支援の活動の他、執筆、講演業、複数企業での非常勤顧問・監査役、出身である長野県茅野市の「縄文ふるさと大使」として活動中。
>>新聞、雑誌、TV等での掲載についてはパブリシティを参照ください。
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