胃がん(腺がん、上皮内)ステージ1 サバイバー 中村玲子さんのストーリーです。
このストーリーの目次
- 【ストーリー】中村玲子さん 胃がん ステージ1 サバイバー
- 第1話「夫婦での起業と子育て」
- 第2話「全力で走っていた40代」
- 第3話「子育てと仕事と」
- 第4話「急な声のかすれ」
- 第5話「胃がん宣告」
- 第6話「草津総合病院へ」
- 第7話「腹腔鏡下手術(幽門側胃切除)」
- 第8話「ダンピング症状」
- 第9話「がんから2年が経って」
第4話「急な声のかすれ」
34歳の時に夫婦でクレーン車の会社を興した滋賀県在住の中村玲子さん(70歳、2014年当時67歳)は、3人の娘の子育て、家事、会社の仕事をこなすスーパーウーマンをやってのけ、40代は子供の学校のPTA、50代は商工会役員、60代になると民生児童委員と元気に充実した時間を過ごしていた。
会社経営という仕事柄、これまで様々な生命保険会社にお付き合いで加入してきた。
だが、元気で病気知らず、しかも年齢が50代、60代となり、子供たちも手を離れたので徐々に生命保険を解約してわずかにしていた。
そんな時、長女から「お母さん、がん保険に入りなよ」と言われ困惑する。
自分が、がんになるとは思ってもいないが「でも少額なら、まあ、いいか…」 そんな思いで2014年12月に加入した。
2015年、この年も中村さんは活動的な毎日を送っていた。
6月の第3火曜日、翌日が民生委員の定例会の日だった。
副会長の中村さんは、定例会では毎回、議事進行の司会を務める。
しかし、前日に急に声がかれてきて、ガラガラ声になった。
これでは、マイクを使っても声が通らない。
大変だと思い、近所の耳鼻科クリニックで診てもらうことにした。
診察室に入ると60代の男性医師が座っていた。淡々と話す医師だ。
レントゲンの写真をみて「これは、蓄膿症(ちくのうしょう)ですね」そう言う。
未だかつて、そんなことを言われたことの無い中村さんは、そう伝えると、医師はかたくなに「いや、これは、蓄膿症です」そう言う。
そして、蓄膿症の治療薬が処方された。
“喉は、どうなっているの…?”
相変わらず、声はガラガラで改善されなかったが、翌日の定例会は何とか乗り切った。
2015年6月末。
納得できない中村さんは、草津総合病院の耳鼻咽頭科を訪れる。
今度は30代の若い男性医師が担当し、しっかりと対応してくれた。
検査結果を診て、これは蓄膿症ではないという。
「逆流性胃腸炎の場合、声が出にくくなることがあります。これまでに胃カメラで検査したことはありますか?なければ、ここで一度、受けられたらいいと思います」
こうして、胃の内視鏡検査が7月3日に組まれた。
次のページを読む >> 第5話「胃がん宣告」この記事の著者
大久保 淳一(5yearsプロフィール)
日本最大級のがん患者支援団体 NPO法人5years理事長、本サイト(ミリオンズライフ)の編集人。
2007年、最終ステージの精巣がんを発病。生存率20%といわれる中、奇跡的に一命をとりとめ社会に復帰。自身の経験から当時欲しかった仕組みをつくりたいとして、2014年に退職し、2015年よりがん経験者・家族のためのコミュニティサイト5years.orgを運営。2016年より本サイトを運営。
現在はNPO法人5years理事長としてがん患者、がん患者家族支援の活動の他、執筆、講演業、複数企業での非常勤顧問・監査役、出身である長野県茅野市の「縄文ふるさと大使」として活動中。
>>新聞、雑誌、TV等での掲載についてはパブリシティを参照ください。
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