大腸がん(直腸がん) ステージ3サバイバー 高木直子さんのストーリーです。
このストーリーの目次
- 【ストーリー】高木直子さん 大腸がん(直腸がん) ステージ3サバイバー
- 第1話「続く血便」
- 第2話「胃腸科クリニックへ」
- 第3話「大腸内視鏡検査」
- 第4話「進行性の直腸がん」
- 第5話「進腹腔鏡による手術」
- 第6話「ストーマとパウチ」
- 第7話「抗がん剤治療」
- 第8話「ストレスのやり場」
- 第9話「人工肛門(ストーマ)の閉鎖手術」
- 第10話「退院後の生活」
- 第11話「取り戻す生活」
- 第12話「過去は思い出に」
第1話「続く血便」
あまり思い詰めても良いことは1つも起きない。
直腸がん、ステージ3、この困難を騒ぎ立てず黙々と乗り越えたい。
「がん」そんなに言うほど大変じゃないはずだし、どんな事も、結局、時間が解決するのだから。
東京都練馬区在住の高木直子さん(44歳、2015年当時42歳)は、若いころから「(自分は)元気なまま、おばあちゃんになるんだろう」そう信じていた。
病気らしい病気なんてしたことがない。
花粉症と数年に1回の風邪くらいなものだ。
2015年9月。
トイレで用をたしたら便に血がついていた。
「あー、血が出てる。痔(ぢ)なのかな?」
心配はしていない。
ただちょっと気になったのでスマホのインターネットで調べてみたら、内臓系の血の色は黒ずんだ赤色で、痔は明るい赤色と書いてある。
そして自分の便についていた血の色はまさに明るい色だった。
ただ…、それからも、毎日、必ず血便が出る。
血のスジがついているのだ。
高木さんはカフェで販売するケーキをつくる会社でパートとして12年間働いていた。
お菓子作りが趣味だったこともあり、前職のライブハウスの事務職員から転職した。
そのケーキ会社では、毎年11月に従業員の健康診断があった。
だから…、その時に調べてもらえばいいやと、病院にいくのを後回しにする。
毎年の健康診断では問題ないと報告されているし、今回も大したことではないと想像している。
だが…、9月に始まった血便は2ヵ月近く、毎日のように出ていた。
それでも、このことは夫に伏せておいた。
言えば、「早く病院に行きなよ」とせかされるだろうし、それが嫌だった。
一方、友人には明かした。
「最近、血便でるねん」
健康に気を使っている友人から「それ、大丈夫なの?」そう返されたが、病院には行かなかった。
そして11月中旬、受診した健康診断の報告書が自宅に届いていた。
中をみると「潜血便、要・精密検査」そうある。
ただ2回採取した便の内、1回のみに血が認められたとの報告だった。
受診したクリニックに連絡し、恵比寿にある「東肛門科胃腸科クリニック」を紹介してもらった。
この記事の著者
大久保 淳一(5yearsプロフィール)
日本最大級のがん患者支援団体 NPO法人5years理事長、本サイト(ミリオンズライフ)の編集人。
2007年、最終ステージの精巣がんを発病。生存率20%といわれる中、奇跡的に一命をとりとめ社会に復帰。自身の経験から当時欲しかった仕組みをつくりたいとして、2014年に退職し、2015年よりがん経験者・家族のためのコミュニティサイト5years.orgを運営。2016年より本サイトを運営。
現在はNPO法人5years理事長としてがん患者、がん患者家族支援の活動の他、執筆、講演業、複数企業での非常勤顧問・監査役、出身である長野県茅野市の「縄文ふるさと大使」として活動中。
>>新聞、雑誌、TV等での掲載についてはパブリシティを参照ください。
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