大腸がん(直腸がん) ステージ3サバイバー 高木直子さんのストーリーです。
このストーリーの目次
- 【ストーリー】高木直子さん 大腸がん(直腸がん) ステージ3サバイバー
- 第1話「続く血便」
- 第2話「胃腸科クリニックへ」
- 第3話「大腸内視鏡検査」
- 第4話「進行性の直腸がん」
- 第5話「進腹腔鏡による手術」
- 第6話「ストーマとパウチ」
- 第7話「抗がん剤治療」
- 第8話「ストレスのやり場」
- 第9話「人工肛門(ストーマ)の閉鎖手術」
- 第10話「退院後の生活」
- 第11話「取り戻す生活」
- 第12話「過去は思い出に」
第11話「取り戻す生活」
日本赤十字社医療センターで進行性の大腸がん(直腸がん)ステージ3Aと告げられ、2016年3月に腹腔鏡による手術(腹腔鏡下超低位前方切除術(一時人工肛門造設))、4月から抗がん剤治療(オキサリプラチン、ゼローダ)を受けた東京都練馬区在住の高木直子さん(44歳、2016年当時43歳)は、11月に人工肛門(ストーマ)を閉鎖する手術を受けた。
年が明けて2017年1月。
高木さんは、回復を実感していた。
ふとした瞬間に「また1段、階段を登れた」そんな喜びを感じていた。
ちょっと出かけた時に以前より長い時間外にいるなと感じたり。
1日のトイレの回数が減ったと思うとき。
そのたびに、しっかり確実に元の生活に向かっている実感があるのだ。
1月19日の病院の外来。
大腸がんの再発もないし、乳がんの恐れもないとわかり安心する。
トイレが心配でこれまで行けなかった歯医者にも行けた。
そして3月、久しぶりに兵庫県加古川市の実家に帰省することができた。
外出した距離と時間では退院後、最長のもので、これでいよいよ大丈夫だと感じた時だ。
両親が、よかった、よかった、と喜んだ。
年度が替わり、2017年4月16日。
高木さんは、ケーキ作りの職場に復帰。
実に1年1ヵ月ぶりのことだった。
いざケーキを作り始めると、感覚は鈍っておらず、手順なり、流れなりすべて普通にこなせることに、自分でも驚いた。
みんなから祝福され「なんか、ブランク感じないね」そんなことを言われる。
ゆっくりやろうと思っていたが、復帰して2週間もしたら、週2日休み・月20日出勤のもとの状態に戻っていた。
「(13ヵ月前に仕事を)辞めた時とまったく同じ姿に戻っている」
それが嬉しくてたまらない。
とにかく、仕事が楽しいのだ。
一度は失ったものを、どんどん取り返しているそんな感じだった。
次のページを読む >> 第12話「過去は思い出に」この記事の著者
大久保 淳一(5yearsプロフィール)
日本最大級のがん患者支援団体 NPO法人5years理事長、本サイト(ミリオンズライフ)の編集人。
2007年、最終ステージの精巣がんを発病。生存率20%といわれる中、奇跡的に一命をとりとめ社会に復帰。自身の経験から当時欲しかった仕組みをつくりたいとして、2014年に退職し、2015年よりがん経験者・家族のためのコミュニティサイト5years.orgを運営。2016年より本サイトを運営。
現在はNPO法人5years理事長としてがん患者、がん患者家族支援の活動の他、執筆、講演業、複数企業での非常勤顧問・監査役、出身である長野県茅野市の「縄文ふるさと大使」として活動中。
>>新聞、雑誌、TV等での掲載についてはパブリシティを参照ください。
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