悪性リンパ腫 ステージ1A サバイバー 小林円香さんのストーリーです。
このストーリーの目次
- 【ストーリー】小林円香さん 悪性リンパ腫 ステージ1サバイバー
- 第1話「左眼の充血と目やに」
- 第2話「左眼の下の頬あたりにしびれ」
- 第3話「腫瘍の可能性」
- 第4話「生検の手術」
- 第5話「悪性リンパ腫の可能性」
- 第6話「B細胞性リンパ腫の診断」
- 第7話「卵巣の凍結保存」
- 第8話「入院準備」
- 第9話「びまん性大細胞型B細胞リンパ腫」
- 第10話「封じ込めていた不安」
- 第11話「見えない未来ときつい副作用」
- 第12話「過呼吸症候群で苦しんだ毎日」
- 第13話「寛解・復職」
- 第14話「幸せな日常を取り戻して」
第1話「左眼の充血と目やに」
「(通常の)がんとは別次元の悪性リンパ腫の可能性があります」
生検のあと医師が母親にそう言っているのを聞いていた。
まるでSFファンタジーの現実離れした世界の話だし、まだ25歳だからがんなんてないだろう…。
自分のなかでは到底受け入れられなかった。
2014年7月、東京都在住の小林円香(まどか)さん(28歳、2014年当時25歳)は勤務している保育園で栄養士の仕事をしていた。
新卒で入ったため覚えることが沢山あり、毎日忙しく慣れない仕事に追われていた。
しかし入社してまだ2年目の小林さんは「3年間は絶対に弱音を吐かない」と心に決め、仕事を頑張っていた。
一方、休日はというとまだ20代と若い。
だから、週末は友人たちと外出し楽しんでいた。
7月中旬のこと。
朝起きると左眼が充血していて重い感じがする。
「コンタクト(レンズ)のせいかな?」
眼鏡に替え職場に行くが目やにが止まらない。
寝て休めば治るかと思っても、翌朝目が覚めるとやはり充血して目やにが出ている。
毎日同じ繰り返しで、やがて眼がグリースで張り付いたように目やにが出ている。
さすがにつらくなったので通勤途中の駅にある眼科クリニックに行った。
診察室に入ると40代くらいの物静かな男性医師に診察された。
淡々とした口調でこう言われる。
「結膜炎があるので眼薬を出しておきます。しばらく様子をみましょう」
小林さんの想像通り「結膜炎」と言われた。
しかし、それからの2ヶ月間、左眼の充血と目やには一向に改善しない。
でも眼科医から結膜炎と言われ安心しているし、様子をみましょうと言われたので忠実にそれに従っていた。
眼薬が切れると薬局で市販の眼薬を買ってしのいでいた。
単なる眼の病気だと信じて「しょせん充血と目やにだし」と思っているから特に不安には感じていない。
そんな日々が過ぎていった。
この記事の著者
大久保 淳一(5yearsプロフィール)
日本最大級のがん患者支援団体 NPO法人5years理事長、本サイト(ミリオンズライフ)の編集人。
2007年、最終ステージの精巣がんを発病。生存率20%といわれる中、奇跡的に一命をとりとめ社会に復帰。自身の経験から当時欲しかった仕組みをつくりたいとして、2014年に退職し、2015年よりがん経験者・家族のためのコミュニティサイト5years.orgを運営。2016年より本サイトを運営。
現在はNPO法人5years理事長としてがん患者、がん患者家族支援の活動の他、執筆、講演業、複数企業での非常勤顧問・監査役、出身である長野県茅野市の「縄文ふるさと大使」として活動中。
>>新聞、雑誌、TV等での掲載についてはパブリシティを参照ください。
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