悪性リンパ腫 ステージ1A サバイバー 小林円香さんのストーリーです。
このストーリーの目次
- 【ストーリー】小林円香さん 悪性リンパ腫 ステージ1サバイバー
- 第1話「左眼の充血と目やに」
- 第2話「左眼の下の頬あたりにしびれ」
- 第3話「腫瘍の可能性」
- 第4話「生検の手術」
- 第5話「悪性リンパ腫の可能性」
- 第6話「B細胞性リンパ腫の診断」
- 第7話「卵巣の凍結保存」
- 第8話「入院準備」
- 第9話「びまん性大細胞型B細胞リンパ腫」
- 第10話「封じ込めていた不安」
- 第11話「見えない未来ときつい副作用」
- 第12話「過呼吸症候群で苦しんだ毎日」
- 第13話「寛解・復職」
- 第14話「幸せな日常を取り戻して」
第13話「寛解・復職」
2014年悪性リンパ腫と診断され、11月から抗がん剤治療(R-CHOP療法)を受け翌2015年3月に6クールすべての治療を終えた東京都在住の小林円香(まどか)さん(28歳、2015年当時26歳)は、再発の恐れから精神的に病み再入院した。その後、無事、寛解となり5月に職場に顔をだす。
保育園に顔をだした日のことは今でも忘れられない。
自分が昔いた風景が広がっていてその中に自分がまたいる。
一瞬、夢なのかな…と思うほどだったが現実であることを確かめると喜びがわいてきた。
「あっ、まどか先生だ!」
年中の女の子に言われた。
ハッとした。だって、8ヶ月間も会っていないし、ウィッグをかぶっているから髪型も違う。
何より彼女は年少さんの頃に接していた園児だ。
よく私のことを覚えていてくれた…泣けてきた。
「私、保育士になりたいかも」本気でそう思えた瞬間だった。
5月末に父親が犬をプレゼントしてくれた。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの「マーサ君」だ。
可愛くて仕方がない。
6月7日にはそれまで止まっていた生理が回復。
「よかった…、普通の健康な人の身体に戻ったんだ」
そんな感動があった。
そして6月12日正式に保育園に復職。
経営者と今後のキャリアについて相談し、姉妹園で保育士補助として働くことになった。
正社員として採用され最初の1週間は6時間の勤務だった。
以前の8時間以上の仕事に比べると負担が軽い。
仕事に戻れることは本当に嬉しかった。
生きている感じがするし、がんとか、入院とかから離れた感じがした。
これを機にこれまで書いていた闘病ブログは終わりにした。
「もう闘病していないから、やめよう。」
自分に区切りをつけたかった。
どんどん社会に戻っていく感じがした。
この記事の著者
大久保 淳一(5yearsプロフィール)
日本最大級のがん患者支援団体 NPO法人5years理事長、本サイト(ミリオンズライフ)の編集人。
2007年、最終ステージの精巣がんを発病。生存率20%といわれる中、奇跡的に一命をとりとめ社会に復帰。自身の経験から当時欲しかった仕組みをつくりたいとして、2014年に退職し、2015年よりがん経験者・家族のためのコミュニティサイト5years.orgを運営。2016年より本サイトを運営。
現在はNPO法人5years理事長としてがん患者、がん患者家族支援の活動の他、執筆、講演業、複数企業での非常勤顧問・監査役、出身である長野県茅野市の「縄文ふるさと大使」として活動中。
>>新聞、雑誌、TV等での掲載についてはパブリシティを参照ください。
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