【ストーリー】吉田洋一さん 胃がん ステージ1b

胃がん ステージ1b サバイバー 吉田さんのがんに関するストーリーです。

このストーリーの目次

  1. 【ストーリー】吉田洋一さん 胃がん ステージ1b
  2. 第1話「悪性腫瘍の告知と胃の全摘の可能性。」
  3. 第2話「しめつけられるような心臓の痛み」
  4. 第3話「胃潰瘍の痕と内視鏡検査」
  5. 第4話「病理検査の結果。がん告知」
  6. 第5話「治療のことで悩むなんてしたくない」
  7. 第6話「ひとつひとつ取り戻す生活へ」
  8. 第7話「小さなことの積み重ね」
  9. 第8話「過酷なレースへの挑戦」

第2話「しめつけられるような心臓の痛み」

2009年1月にしめつけられるような心臓の痛みを感じていた北海道江別市在住の吉田洋一さん(58歳、2009年当時50歳)は、近所のクリニックで診てもらい特に問題ないと言われた。

まだときどき痛むものの、この頃の吉田さんは北海道のマラソンシーズンの幕開け大会ともいえる伊達ハーフマラソン(4月19日)に向けて走りこんでいた。
また4月に入ると会社の経理の仕事で大忙しとなる。
こうして年初にあった心臓のことはすっかり頭から消えていた。

2009年5月21日。
会社の健康診断でバリュウムを飲む胃のレントゲン検査があった。
午前中に一通りの検査を終え、午後1時に医師と面談。
その際に不思議なことを言われる。

「画像を見ると胃潰瘍(いかいよう)が治った痕(あと)のようなものがみられます。たぶん大丈夫だと思いますが」
吉田さんの胃のレントゲン画像はすでに3人の医師が診てそう結論付けたのだという。
だから念のために胃カメラでの2次検査を勧められた。

自覚症状が全然ないので心配まではいかないが、そういわれるとすぐに行動して解決するのが吉田さんの信条。
同じビルにある胃腸科専門のクリニックに行き、医師に事情を説明した。
そして胃カメラで検査する予約を翌日に入れた。

2009年5月22日
いつも通り朝8時半に出社すると例の胃腸科専門のクリニックに行った。
そこで鼻から内視鏡を入れる検査が行われる。

吉田さんは風邪すら滅多にひかない健康な人で、病気とは縁遠いスポーツマンだった。
だから奥様も3人の子供たちも心配はしていない。そして始まった検査。
胃の中に内視鏡を入れていくと医師がこう言う。
「確かに痕(あと)がありますね。胃潰瘍が治った痕みたいだ。表面を切り取って検査しましょう」
こうして検査は終わり、胃薬が処方された。
切り取った組織の検査結果は1週間後にわかると言われた。

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この記事の著者

(5yearsプロフィール)

日本最大級のがん患者支援団体 NPO法人5years理事長、本サイト(ミリオンズライフ)の編集人。
2007年、最終ステージの精巣がんを発病。生存率20%といわれる中、奇跡的に一命をとりとめ社会に復帰。自身の経験から当時欲しかった仕組みをつくりたいとして、2014年に退職し、2015年よりがん経験者・家族のためのコミュニティサイト5years.orgを運営。2016年より本サイトを運営。
現在はNPO法人5years理事長としてがん患者、がん患者家族支援の活動の他、執筆、講演業、複数企業での非常勤顧問・監査役、出身である長野県茅野市の「縄文ふるさと大使」として活動中。
>>新聞、雑誌、TV等での掲載についてはパブリシティを参照ください。
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