大腸がん(S状結腸がん) ステージ3a サバイバー 大友和紀さんのストーリーです。
このストーリーの目次
- 【ストーリー】大友和紀さん 大腸がん(S状結腸がん) ステージ3 サバイバー
- 第1話「徳島での田舎暮らし」
- 第2話「腹痛」
- 第3話「恐らく大腸がんです」
- 第4話「入院」
- 第5話「人工肛門の設置」
- 第6話「大腸がん(S状結腸がん)の切除手術」
- 第7話「抗がん剤(オキサリプラチン、ゼローダ)治療の開始」
- 第8話「淡々と続く抗がん剤治療」
- 第9話「取り戻した生活」
第3話「恐らく大腸がんです」
2008年に徳島県勝浦町に移住した大友和紀さん(43歳、2016年当時41歳)は、2016年8月、お腹が痛くなり救急で病院に向かう。
妻が運転する車に乗り30分、徳島赤十字病院に着いた。
日曜日の午後3時を回っていた。
救急外来に駆け込むと30人以上も患者たちがいる。
子供の急患が多いらしく親子が大勢いた。
身体がつらくて座っていられない大友さんは、ソファー席に横になり、30分程待っていた。
やがて名前が呼ばれ、診察室に入ると、若いインターンの男性医師に問診された。
その後、触診、レントゲン写真撮影と行われるが、原因がよく解らないという。
急きょ、大腸内視鏡検査をすることになり、腸内を空にする前処理をしたはずだが、あまりにも痛くてよく覚えていない。
そして、大腸内視鏡検査。
検査台の上に横たわり、モニター画面を観られなかったが意識のある状態で検査を受けた。
終了後、そのまま検査台で横になっていると、今度は40歳前後の男性医師が入ってきて、大友さんの左手首に黄色のバンドを取り付ける。
「何ですか、これ?」そう聞くと…、
医師は「入院になります」あっさり返した。
予想もしなかった「入院」という言葉に、驚きと衝撃を受ける。
一人で運営しているシェアハウスの仕事は、明日も、明後日も、やることだらけ。
妻は、パートで別の仕事をしているから、入院なんてとんでもない。
何日くらいの入院になるか聞き返すと、最低でも3週間と言われ、唖然(あぜん)とする。
そして…、
「恐らく大腸がんです。腸内に腫瘍ができているため、腸閉塞(ちょうへいそく)を発症しています」
びっくりした。
「大腸がん」と「腸閉塞」、驚き以外のなにものでもない。
ただ、どこか冷静な自分もいた。
“まだ検査中だし、病気について知識もない。だから、あれこれ考えて心配するのはよそう。それより仕事をどうするかだ…”
シェアハウスでは、東京の大学生たちが体験に来ていて、その彼らに向けたイベントが組まれていた。
空き家の漆喰(しっくい)を塗り替える改修作業で、学生たちにとっては大学での実習単位として認定されるボランティア活動。
町にとっても移住者向けの体験イベントとして重要だ。
3週間の入院は頭が痛かった。
この記事の著者
大久保 淳一(5yearsプロフィール)
日本最大級のがん患者支援団体 NPO法人5years理事長、本サイト(ミリオンズライフ)の編集人。
2007年、最終ステージの精巣がんを発病。生存率20%といわれる中、奇跡的に一命をとりとめ社会に復帰。自身の経験から当時欲しかった仕組みをつくりたいとして、2014年に退職し、2015年よりがん経験者・家族のためのコミュニティサイト5years.orgを運営。2016年より本サイトを運営。
現在はNPO法人5years理事長としてがん患者、がん患者家族支援の活動の他、執筆、講演業、複数企業での非常勤顧問・監査役、出身である長野県茅野市の「縄文ふるさと大使」として活動中。
>>新聞、雑誌、TV等での掲載についてはパブリシティを参照ください。
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