大腸がん(直腸がん) ステージ3サバイバー 高木直子さんのストーリーです。
このストーリーの目次
- 【ストーリー】高木直子さん 大腸がん(直腸がん) ステージ3サバイバー
- 第1話「続く血便」
- 第2話「胃腸科クリニックへ」
- 第3話「大腸内視鏡検査」
- 第4話「進行性の直腸がん」
- 第5話「進腹腔鏡による手術」
- 第6話「ストーマとパウチ」
- 第7話「抗がん剤治療」
- 第8話「ストレスのやり場」
- 第9話「人工肛門(ストーマ)の閉鎖手術」
- 第10話「退院後の生活」
- 第11話「取り戻す生活」
- 第12話「過去は思い出に」
第4話「進行性の直腸がん」
2015年9月からトイレのたびに血便が出ていた東京都練馬区在住の高木直子さん(44歳、2016年当時42歳)は、東肛門科胃腸科クリニックで大腸内視鏡検査を受け、さらに詳しい検査が必要であるとして、日本赤十字社医療センターを紹介された。
大腸内視鏡検査から3日後の2月26日、日本赤十字社医療センター・大腸肛門外科を訪れる。
50代の優しそうな男性医師が担当し、クリニックで撮影された直腸の画像を見てこういう。
「専門家から言わせてもらうと、99%進行性の直腸がんです。すでに初期ではないです」
がんの告知をうけた瞬間だった。
ただ、高木さんはすんなり受け入れる。
がんをテーマにしたテレビドラマで主人公が目の前が真っ暗になったり、衝撃のあまり泣き出すシーンがあるが、そんな感じではなかった。
もともと、おおらかな性格だし、身内にがん経験者がいない。
まず、がんで自分が死ぬとは思っていない。
何より、時々、有名人ががんを患うと、メディアがそろって大騒ぎして、本人も騒ぎ立てて、闘病生活を乗り越えていくなんてあるが、そういうのは自分には合わないし、好きじゃなかった。
だから…、淡々と受け入れ、黙々と治療をこなしていく、それでいいと感じている。
このとき高木さんが思ったことは3つ。
「仕事を休まなくちゃいけないな」、「しばらく、ライブに行けなくなった」、そしてもう一つの趣味の「パン屋めぐりに行けない」この3つ。
休みの日に友人たちと予定していたライブとか、食事の予定をすべてキャンセルしなくてはならないのが残念だった。
この日、病院で検査が入れられ、レントゲン、血液検査とこなす。
そしてCT画像検査の予定が組まれた。
昼休みの時間に夫に電話で伝えた。
「直腸がんやて。結構進行してるって先生言うとる」
ご主人はなるべく平静を装いふつうに答えてくれた。
一方、出社して、直属の上司と社内の友人に明かすと驚かれた。
高木さんが慌てず、動揺せず、がんの事実を伝えることにも驚いていた。
そして3月14日まで勤務して、それからは休職。6月までは会社に席があると言われる。
休職期間中は、健康保険組合からの傷病手当金が出ると説明を受けた。
会社の中では一部の人だけに明かしたが、「いつでも帰ってきていいから」と温かい言葉をかけられた。
この記事の著者
大久保 淳一(5yearsプロフィール)
日本最大級のがん患者支援団体 NPO法人5years理事長、本サイト(ミリオンズライフ)の編集人。
2007年、最終ステージの精巣がんを発病。生存率20%といわれる中、奇跡的に一命をとりとめ社会に復帰。自身の経験から当時欲しかった仕組みをつくりたいとして、2014年に退職し、2015年よりがん経験者・家族のためのコミュニティサイト5years.orgを運営。2016年より本サイトを運営。
現在はNPO法人5years理事長としてがん患者、がん患者家族支援の活動の他、執筆、講演業、複数企業での非常勤顧問・監査役、出身である長野県茅野市の「縄文ふるさと大使」として活動中。
>>新聞、雑誌、TV等での掲載についてはパブリシティを参照ください。
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