大腸がん(直腸がん) ステージ3サバイバー 高木直子さんのストーリーです。
このストーリーの目次
- 【ストーリー】高木直子さん 大腸がん(直腸がん) ステージ3サバイバー
- 第1話「続く血便」
- 第2話「胃腸科クリニックへ」
- 第3話「大腸内視鏡検査」
- 第4話「進行性の直腸がん」
- 第5話「進腹腔鏡による手術」
- 第6話「ストーマとパウチ」
- 第7話「抗がん剤治療」
- 第8話「ストレスのやり場」
- 第9話「人工肛門(ストーマ)の閉鎖手術」
- 第10話「退院後の生活」
- 第11話「取り戻す生活」
- 第12話「過去は思い出に」
第2話「胃腸科クリニックへ」
2015年9月からトイレで用をたすたびに血便が出ていた東京都練馬区在住の高木直子さん(44歳、2015年当時42歳)は、2ヶ月後の健康診断で「潜血便、要・精密検査」と指摘された。
高木さんは10代の頃から音楽バンドのライブを聞くのが趣味で、時々、兵庫県の実家から東京に上京してライブハウスに行っていた。
まだ無名のミュージシャン3~4組が一緒になり(=対バン)、その日の演奏をそれぞれ行う。
高木さんの好きなバンドと対バンになったバンドチームのマネージャーをしていた男性と友人付き合いが始まり、3年越しの遠距離恋愛の後、10年間の同棲生活を経て結婚。
夫とのなれそめだ。
ご主人は様々な仕事を経て、7年前に38歳で植木職人に転身。
これこそ天職と楽しそうに仕事をしている。
一方、高木さんは23歳で東京に上京し、ライブハウスを運営している会社の事務職員になった。
席数400席を超える大きな会場を所有し、イベントの企画から運営まですべて手がける会社だ。
従業員は無料でライブを観られるため、音楽ライブ好きな高木さんにとって最高の仕事だった。
しかし、12年前に経営陣の意見対立から会社の経営が混乱したとき、高木さんは今のケーキ製造会社に転職。毎朝6時前に起きて電車を乗り継ぎ出社。
夕方6時まで立ちっぱなしでケーキを作る重労働をがんばってきた。
会社には定休日がないため、シフトで火曜日と金曜日に休みを取ることが多い。
2015年12月8日、火曜日、会社が休みの日。
恵比寿の「東肛門科・胃腸科クリニック」を訪れた。
名前を呼ばれ、診察室に入ると年配の紳士的な男性医師が座っていた。
状況を説明すると、医師は指で肛門を触診。
誰にでもあるくらいの大きさの痔核(ぢかく)があるという。
ただ、さらに詳しく調べるために大腸内視鏡検査が予定された。
驚いたのは予約がいっぱいで、2ヵ月半先の翌年2月23日が検査日となる。
「えらく先だなぁ…、それにしても肛門からカメラを入れられるなんて嫌だなあ」そんな気持ちだった。
5年前に健康診断でひっかかり、胃の内視鏡検査を受けたことがあるが、ポリープを採取して調べたところ良性とわかり事なきを得た。
今回もそんな感じかな、くらいにとらえていた。
特段、心配していなかった。
この記事の著者
大久保 淳一(5yearsプロフィール)
日本最大級のがん患者支援団体 NPO法人5years理事長、本サイト(ミリオンズライフ)の編集人。
2007年、最終ステージの精巣がんを発病。生存率20%といわれる中、奇跡的に一命をとりとめ社会に復帰。自身の経験から当時欲しかった仕組みをつくりたいとして、2014年に退職し、2015年よりがん経験者・家族のためのコミュニティサイト5years.orgを運営。2016年より本サイトを運営。
現在はNPO法人5years理事長としてがん患者、がん患者家族支援の活動の他、執筆、講演業、複数企業での非常勤顧問・監査役、出身である長野県茅野市の「縄文ふるさと大使」として活動中。
>>新聞、雑誌、TV等での掲載についてはパブリシティを参照ください。
>>NPO法人5yearsの組織概要はこちら
-Sponsored-