これまで北海道から沖縄まで36名のがん経験者の皆さんのインタビューをしてきましたが、いつも同じ質問をお聞きしました。
それは、
・がん患者が「してはいけないこと」
・がん患者が「すべきこと」
がんを乗り越えて行く人たちには共通した想いがあるのではないかと想像したからです。
その結果、共通している部分もありますが、皆さんそれぞれに大切なことを教えてくれました。
お一人、3つまでお聞きして、その複数回答をまとめました。
( )内の数字は、同じ回答をされた人の人数です。
ぜひ、ご参考にして頂き、うまくがん治療とつきあい、そして乗り越えて行ってください。
(※2018年4月2日時点)
【がん患者が、してはいけないこと】
- 我慢して、ストレスをためること(11)
- 無理をすること(9)
- 一人で考え、孤立すること(8)
- 自暴自棄になること(7)
- 人と比べること(7)
- 自分を責めること(6)
- 夜に寝ないこと、睡眠不足になること(5)
- インターネット検索をして落ち込むこと(4)
- 悪い結果を考えること、死を考えること(4)
- 他の人の話をうのみにすること(3)
- 標準治療以外の民間療法を取り入れること(3)
- 後悔すること、過去を反省すること(3)
- 周囲の人を責めること(3)
- がんの原因を探すこと(3)
- 自分の判断で薬をやめたり、通院を途中でやめてしまうこと(2)
- 希望を失うこと、諦めること(2)
- 現実から目をそらすこと(2)
- 食事に気を使いすぎること(2)
- 自分の行動に制約を入れること(2)
- 主治医や看護師の指示を守らないこと(2)
- 焦ること(1)
- 自分に限界や壁を作ること(1)
- 会社を辞めること(1)
- 苦手な人・嫌な人と関わること(1)
- 身体を冷やすこと(1)
- いつまでも暗く落ち込むこと(1)
- 無理に前向きになろうとすること(1)
- 周囲に期待すること(1)
- がんを言い訳にすること(1)
- 迷うこと(1)
- 楽観視すること(1)
- 治療選択をお医者さん任せにすること(1)
- タバコを吸うこと(1)
- 今の生活を変えること(1)
【がん患者が、すべきこと】
- 積極的にやりたいことをすること(9)
- この経験を、何か意味がある経験だと明るく前向きに受け止めること(7)
- 主治医を信じること、主治医と話すこと(7)
- 笑うこと(7)
- 感謝すること(6)
- 病気に向き合うこと、身体と向き合うこと(6)
- 引きこもらないで外に出ること、散歩、運動(6)
- 落ち着いて、深呼吸をして、リラックスすること(5)
- 自然体で普段通りの生活をして、生活を変えないこと(5)
- 規則正しく食べること(4)
- 自分を信じること(3)
- 楽しみや目標を持つこと(3)
- 信頼できる同じ病気の仲間を作ること(3)
- 家族・友人以外に相談できる人をつくること(3)
- 病気について理解すること(3)
- 社会との接点を持つこと(3)
- 正しい知識を得て、勉強をすること(3)
- 思いっきり泣いて落ち込むこと(3)
- 心を開くこと(2)
- 納得して治療を受けること(2)
- 素直に正直になること(2)
- 出来ることと出来なくなったことを整理すること(1)
- 周囲の人に甘えること(1)
- 楽しいと思えることをすること(1)
- 明るい色を選ぶこと(1)
- 楽観的に考えること(1)
- よく寝ること(1)
- 自分の意思を周囲に伝えること(1)
- 元気な人と交流すること(1)
- 諦めず、希望を持ち続けること(1)
- 自ら治療方法を選択すること(1)
- いろんな人と接すること(1)
今回の回答者の皆さん36名のプロフィール情報です。
がん種類
乳がん | 7名 |
大腸がん | 6名 |
卵巣がん | 6名 |
子宮体がん | 3名 |
悪性リンパ腫 | 3名 |
胃がん | 2名 |
慢性骨髄性白血病 | 2名 |
急性骨髄性白血病 | 1名 |
すい臓がん | 1名 |
精巣腫瘍 | 1名 |
肺がん | 1名 |
腹膜がん | 1名 |
悪性縦隔腫瘍 | 1名 |
中咽頭がん | 1名 |
前立腺がん | 1名 |
甲状腺がん | 1名 |
骨肉種 | 1名 |
進行ステージ
がん発症年齢
性別
【所感】
11年前の2007年、42歳の時、私は重い精巣がん(最終ステージ)を患い、10ヶ月間に及ぶ入退院を繰り返しました。
正に暗澹とした気持ちで不安の中にいました。
私個人的には、今回の回答、すべて理解できますし、まったくその通りだと思うことばかりです。
ぜひ、多くの方の参考にしてもらいたいです。
この記事の著者
大久保 淳一(5yearsプロフィール)
日本最大級のがん患者支援団体 NPO法人5years理事長、本サイト(ミリオンズライフ)の編集人。
2007年、最終ステージの精巣がんを発病。生存率20%といわれる中、奇跡的に一命をとりとめ社会に復帰。自身の経験から当時欲しかった仕組みをつくりたいとして、2014年に退職し、2015年よりがん経験者・家族のためのコミュニティサイト5years.orgを運営。2016年より本サイトを運営。
現在はNPO法人5years理事長としてがん患者、がん患者家族支援の活動の他、執筆、講演業、複数企業での非常勤顧問・監査役、出身である長野県茅野市の「縄文ふるさと大使」として活動中。
>>新聞、雑誌、TV等での掲載についてはパブリシティを参照ください。
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